2022 Fiscal Year Research-status Report
次世代宇宙論サーベイに向けた擬似全天重力レンズデータベースの増強更新
Project/Area Number |
22K03655
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
浜名 崇 国立天文台, 科学研究部, 助教 (70399301)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 観測的宇宙論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年代には重力レンズ効果を用いた宇宙論研究を主目的とした複数の大規模サーベイ計画が国内外において実施あるいは計画されている。それらの研究プロジェクトにおいて、数値シミュレーションにより作成した擬似重力レンズデータベースは、実際の重力レンズ効果の解析における様々な段階で重要な役割をはたしており現在の宇宙論研究における基盤的要素のひとつである。このような背景のもと、次世代大規模宇宙論サーベイから宇宙論情報を十分に引き出すことを可能にする擬似重力レンズデータベースの作成が本研究課題の目的であるである。 この目的達成のため、本研究課題の2022年度の研究計画は基盤となる数値シミュレーション技術の開発であった。具体的には以下の3点を実施した。(1)宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションコードTreePMの導入とそのパフォーマンスの検証。宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションコードとして、計算速度の観点から京都大学のグループが開発しているTreePMを採用することとした。その導入と計算性能のテストを行い、計画している重力レンズシミュレーションに必要な空間分解能を満たしていることを確認した。(2)全天重力レンズ数値シミュレーションプログラムの開発とそのパフォーマンスの検証。従来の全天重力レンズ数値シミュレーションプログラムに改良を加え、本研究計画の要求を満たすプログラムを開発しその性能を検証した。(3)宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションと全天重力レンズ数値シミュレーションのテスト計算。最終計算より小規模な数値シミュレーションをスーパーコンピューターで実施し、計算結果の検証を行い、また多数のシミュレーションを半自動的に実行するためのスクリプトを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度においては、研究目的の数値シミュレーションを行うために必要な基盤となる数値シミュレーション技術の開発を行った。具体的には以下の3点である。(1)宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションコードTreePMの導入とそのパフォーマンスの検証、(2)全天重力レンズ数値シミュレーションプログラムの開発とそのパフォーマンスの検証、および(3)宇宙論的大規模構造形成の数値シミュレーションと全天重力レンズ数値シミュレーションのスーパーコンピューターでの実施試験とそのパフォーマンス検証。これにより2023年度以降に本格的に全天重力レンズ数値シミュレーションを行う準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の2023年度においては、2022年度に開発した全天重力レンズ数値シミュレーションプログラムを用いて全体の1/5程度のデータセットを作成し計算精度の検証を行う。また部分的公開を行い利用者の要望等を収集して、それらをシミュレーションプログラムに反映させて、2024年度に最終的なデータセットを完成させ公開する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で現地参加を予定していた研究会をリモート参加に変更したため旅費として計上していた経費が未使用となったため次年度使用額が生じた。次年度に研究会参加の旅費として使用する計画である。
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Research Products
(5 results)