2022 Fiscal Year Research-status Report
すばるPFSの大規模分光探査による銀河形成史の観測的研究
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22K03670
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 宜昭 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60631116)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 銀河進化 / 銀河形成 / 高赤方偏移銀河 / 多波長観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,夏頃より少しずつ公開されたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による初期探査データをもとに選択された赤方偏移が9を超える高赤方偏移銀河候補について,それらの形態を調べた.具体的には,それらの静止系紫外光および可視光の高分解能NIRCam撮像データに対し,表面輝度プロファイルフィッティングを行なった.その結果,高赤方偏移銀河候補の表面輝度プロファイルはSersic indexが1.0から1.5程度のdiskyなSersicプロファイルでよく説明され,平均的なサイズ(半光度半径)は200パーセクから300パーセク程度しかないことがわかった.これは,過去にハッブル宇宙望遠鏡を用いて得られたやや低赤方偏移にある同程度の明るさの銀河に対する結果を赤方偏移方向に外挿したものと無矛盾である.また,高赤方偏移銀河候補の中に一天体,他の候補天体と比べてきわめてコンパクトなものがあることもわかった.この天体の銀河成分は,AGNの存在を仮定したフィッティングを行なってもコンパクトであり,その物理起源は興味深い.これらの結果を銀河形成の宇宙論的流体シミュレーションの結果と比較したところ,JWSTで見つかった銀河候補はきわめてコンパクトなものも含めて理論研究により自然に説明できることを示した.これらの成果をまとめた論文を査読雑誌に投稿し,研究会などで発表した.また,すばる望遠鏡の多天体分光器PFSによる分光深宇宙探査に向け,広視野カメラHSCによる最新データをもとに遠方銀河サンプルの更新にも貢献した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,HSC探査データの最新データをもとに遠方銀河の撮像サンプル構築に貢献した.それと並行して,JWST初期探査データをもとに高赤方偏移銀河候補の形態を明らかにすることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
すばるPFS探査に向けてHSCによる遠方銀河サンプルを構築する.また,JWSTデータも引き続き取得されるので随時解析を進めていきたい.
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Causes of Carryover |
今年度は一部の研究会にオンラインで参加することができたこともあり当初予定より支出を抑えることができた.次年度使用額は,旅費の一部またはコンピュータ等の購入費の一部として使用する予定である.
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[Journal Article] Third data release of the Hyper Suprime-Cam Subaru Strategic Program2022
Author(s)
Aihara Hiroaki、AlSayyad Yusra、Ando Makoto、Armstrong Robert、Bosch James、Egami Eiichi、Furusawa Hisanori、Furusawa Junko、Harasawa Sumiko、Harikane Yuichi、Hsieh Bau-Ching、Ikeda Hiroyuki、Ito Kei、Iwata Ikuru、Kodama Tadayuki、Koike Michitaro、Kokubo Mitsuru、Komiyama Yutaka、Li Xiangchong、Liang Yongming、et al.
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Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 74
Pages: 247~272
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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