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2022 Fiscal Year Research-status Report

Unraveling the Black Hole Formation Processes through the Census of Galactic Black Holes

Research Project

Project/Area Number 22K03686
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

川中 宣太  京都大学, 基礎物理学研究所, 特定研究員 (60507838)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsブラックホール / 位置天文学 / 重力レンズ / 降着円盤
Outline of Annual Research Achievements

銀河系内ブラックホールのうち、これまで検出されているものの殆どは星と連星を組んで質量降着によって輝いているX線連星として観測されているものである。しかし、他にも質量降着を伴わないブラックホール連星や単独で存在するブラックホールも多く存在するはずである。これらのブラックホールもできるだけ多く検出することで無バイアスな銀河系内ブラックホールのカタログを作ることができ、ブラックホール形成過程に関するより一般的な手がかりが得られると期待できる。本課題初年度では(1)ブラックホール連星の位置・速度分布を種族合成計算から予言し、観測可能性を議論して論文にまとめる(2)星間物質を降着して輝く孤立ブラックホールの多波長スペクトルを計算し、観測可能性も考察して論文にまとめる(3)重力レンズの観測による孤立ブラックホールの検出数の期待値の計算とそこから推定できるブラックホール形成に関する情報について論文にまとめる、の3つの目標を掲げていた。(1)に関しては論文を2編投稿、うち1編受理となっており、目標は達成されたと考えている。一方で(2)(3)についてはいずれも議論はある程度進んだものの論文投稿にまでは至っていない。しかし(2)は関連する研究としてブラックホール降着流からのX線スペクトルの計算、ブラックホールへの大質量降着による周辺物質へのフィードバックに関する研究の2つが大きく進展した。また、(3)も既に計算結果は固まっており、論文執筆段階にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

まずGaiaによる位置天文観測によってブラックホール連星を検出し、その位置と速度からブラックホールの形成過程に関する情報がどれだけ得られるかについては論文執筆まで順調に進み、投稿に至った。しかし、孤立ブラックホールへの質量降着に関しては共同研究が思うように進まず、やや方向の異なるテーマに切り替えて論文投稿を目指すことにしたために、当初予定していた課題については一旦保留となっている。また、孤立ブラックホールの重力レンズによる検出に関する研究は共同研究者との議論・計算は順調に進んでいたものの、年度末近くになって研究代表者・共同研究者ともに所属の異動があったため論文執筆が大きく滞ったことが原因で年度内の投稿に至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

ブラックホール連星の位置天文観測に関しては、まず今後打上予定の人工衛星 JASMINE による検出の予測を行い、論文にまとめる方針である。一方で Gaia によるブラックホール連星の検出報告が数例あるのでそれに基づいてブラックホール形成に関する推定を行い、余裕があれば論文にする。孤立ブラックホールへの質量降着については他の共同研究者を探し、当初の目的に沿った研究を実行することで2年目の間に論文投稿にまでこぎつけたい。孤立ブラックホールの重力レンズによる検出については論文投稿は2年目早々に可能と考えられる。続いて位置天文学的重力レンズの検出可能性についても議論する方針である。また、銀河系内ブラックホールの検出およびそこから探るブラックホール形成過程というテーマで国内研究会を開催する予定である。また、新型コロナウイルスの影響が十分小さくなっていれば、最終年度となる3年目に国際研究会の開催を目指している。

Causes of Carryover

国内研究会の開催を予定していたが、研究代表者の異動や共同研究者の海外滞在などが重なって開催を見送らざるをえなかった。次年度にはいずれの事情もなくなっているので研究会の開催を考えている。また、論文投稿も遅れているので次年度にまとめて投稿料も込めて多めに計上したい考えである。

  • Research Products

    (8 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (7 results)

  • [Journal Article] Search for a Black Hole Binary in Gaia DR3 Astrometric Binary Stars with Spectroscopic Data2023

    • Author(s)
      Tanikawa Ataru、Hattori Kohei、Kawanaka Norita、Kinugawa Tomoya、Shikauchi Minori、Tsuna Daichi
    • Journal Title

      The Astrophysical Journal

      Volume: 946 Pages: 79~79

    • DOI

      10.3847/1538-4357/acbf36

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 活動銀河核の軟X線超過の起源2023

    • Author(s)
      川中宣太
    • Organizer
      ブラックホール降着円盤・ジェット・円盤風研究会
  • [Presentation] 活動銀河核の軟X線超過の起源:温かいコロナの加熱とその安定性2023

    • Author(s)
      川中宣太
    • Organizer
      日本天文学会春季年会
  • [Presentation] 位置天文衛星 Gaia によるブラックホール連星探査とその候補天体2023

    • Author(s)
      谷川衝
    • Organizer
      日本天文学会春季年会
  • [Presentation] Gaia で観測可能な恒星質量ブラックホール連星の空間分布に関する理論予想2023

    • Author(s)
      鹿内みのり
    • Organizer
      日本天文学会春季年会
  • [Presentation] 活動銀河核の軟X線超過の起源としての温かいコロナモデル2022

    • Author(s)
      川中宣太
    • Organizer
      日本天文学会秋季年会
  • [Presentation] 円盤-コロナ系の熱平衡曲線2022

    • Author(s)
      古野雅之
    • Organizer
      日本天文学会秋季年会
  • [Presentation] Gaia によるブラックホール連星探査への理論予想とJASMINEへの期待2022

    • Author(s)
      鹿内みのり
    • Organizer
      日本天文学会秋季年会

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Published: 2023-12-25  

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