2022 Fiscal Year Research-status Report
浅熱水性金鉱床に産出するアンモニウム含有長石の生成条件解明と探査への応用
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22K03731
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
越後 拓也 秋田大学, 国際資源学研究科, 准教授 (30614036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 寧 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (90358383)
TUPAZ CARMELA 秋田大学, 国際資源学研究科, 助教 (10934424)
丸岡 照幸 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80400646)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 浅熱水性金鉱床 / アンモニウム長石 / 低硫化系金鉱床 / 有機物 / 熱水変質作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道北見地域における浅熱水性金鉱床として、佐呂間鉱徴地と生田原鉱徴地の試料を粉末XRD分析、ATR-FTIR分析、CHN分析、顕微ラマン分光分析、薄片観察を行った。分析の結果、金品位と窒素含有量に優位な相関は見られなかったが、熱水変質作用に伴う有機物の構造変化を詳細に調べることができた。今回調べた試料の多くは熱水変質作用によるセリサイト変質(中性・200 以上)を被っていた。この岩石中の有機物には蛍光がみられ、200˚C以下の比較的低温かつ中性の熱水変質作用では、堆積岩中の有機物の分解はあまり進行しないことを示唆していた。続成作用においては150˚C程度の熟成で有機物の蛍光がみられなくなるとう先行研究と比較すると、熱水変質作用の有機物はより高い温度条件まで分解せずに存在する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はジャパンゴールド社の協力を得て、ボーリングコア試料を分析することができた。金品位とアンモニウム含有鉱物の関係については明確な結論が得られなかったが、粉末XRD分析・ATR-FTIR分析・CHN分析・顕微ラマン分光分析を用いた研究手法の確立を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度調べた試料では金品位とアンモニウム含有鉱物の関係を明らかにすることが出来なかったため、過去調べた試料のうちアンモニウム含有量が高いものについて再検討することを予定している。具体的には、北見地域での現地調査と試料採取に基づき窒素量マッピングを行う。
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Causes of Carryover |
本年度は北海道北見地域における浅熱水性金鉱床を卒業論文のテーマとした学生が2名いたため、現地調査や試料採取、分析のための試料調製や実際の分析に必要な研究補助スタッフを雇う必要がなく、人件費・謝金が予定よりも抑えされた。次年度はより多くの試料調製を行うための研究補助スタッフを雇い、研究を推進する予定である。
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Research Products
(19 results)