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2022 Fiscal Year Research-status Report

花崗岩の岩塔・岩海形成に関する3次元的研究

Research Project

Project/Area Number 22K03740
Research InstitutionFukada Geological Institute

Principal Investigator

千木良 雅弘  公益財団法人深田地質研究所, その他部局等, 主席研究員 (00293960)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords花こう岩 / 冷却節理 / 岩塔 / 岩海
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,花崗岩の冷却に伴って柱状の節理が一般的に形成されること,そして,その形成が岩塔や岩海の素因になっていることを明らかにすることである.さらに,1つの花崗岩体の冷却に伴って,どこにどのような節理が形成されるのか明らかにすることである。そのために,ドローンを使って節理の3次元的研究を行ってきた。2022年度終了時までの研究によって,花崗岩の冷却節理として柱状節理が一般的であることを示すことができた。また,それは花崗岩体の上部,つまりバソリスのルーフ直下に発達するらしいこと,その下には節理の少ない塊状部分があると見込まれることを明らかにした.具体的には次の通りの成果を得た。
・岩塔として著名であるにもかかわらず,その形態的研究がなされてこなかった甲府花崗岩体の地蔵ヶ岳のオベリスクが柱状節理に起因するものであることを明らかにした。その結果は,Island Arcに掲載された.
・広島県呉市の天狗岩を対象に調査し,花崗岩の冷却に伴って深部には塊状部分があり,浅部に高角の共役節理が形成されたことを明らかにした。共役節理ができるか,柱状節理ができるかは,場の応力状態により,静水圧的な場合に柱状節理ができるものと考えられる。
・そのほか,予察的調査として,宮崎県の中新世花崗岩体の大崩山,および鹿児島県の中新世屋久島花崗岩体の節理構造の調査を行った。その結果,花崗岩体とルーフおよび柱状節理の形成場との関係について見通しが得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は,花崗岩に柱状の節理が一般的に形成されること,そして,その形成が岩塔や岩海の素因になっていることを明らかにすることである.つまり,岩塔と岩海には,柱状節理に起因するものが一般的にあることを示すことである.そのために,岩塔や岩海の分布域と周辺において,これらの地形と節理,岩石の風化状況を3次元的に調査研究している。本補助金研究開始前には,甲府花崗岩体の瑞牆山で岩塔が花崗岩の柱状節理に起因していることを明らかにしており,さらに,2022年度には,甲府花崗岩体の地蔵が岳オベリスクも柱状節理に起因していることを明らかにした。また,広島県呉市の天狗岩では,高標高部に高角の共役節理に囲まれた岩塔群があるが,その下位の低標高部は,これらの節理は連続せず,塊状であることが明らかになった。つまり,これらの共役節理は花崗岩の冷却時にルーフ近くに形成されたものであることがわかった。これらの共役節理は冷却時の応力状態を反映しており,より差応力の小さな状態では,共役節理ではなく,多面体の断面を持つ柱状節理が形成されたものと考えられる。いずれにしても,花崗岩体のルーフ近くでは冷却時に柱状節理等が形成され,岩体中心部は塊状を保つことの見通しが得られた。

Strategy for Future Research Activity

花崗岩体のルーフが残されている岩体として,大崩山花崗岩体の調査・分析を行い,節理構造と岩体の相対的位置との関係を明らかにする。また,屋久島の花崗岩体で岩体の相対的な位置による節理構造の違いを明らかにする。さらに,柱状節理と岩海との関係を明らかにするため,オーストラリアのBlack mountainの岩海で岩塊の形態調査を行う。また,日本の岩海として,金峰山,山口県の大岩郷などにおいて岩塊の形態調査を行う。岩海の岩塊の形状は,広島県の久井の岩海では,もともとの柱状節理の形態を反映していることが研究代表者らの研究によって明らかになっており,このような現象の一般性が確認できることが期待される。これらの研究を総合することによって,花崗岩体の冷却,節理の形成,岩塔や岩海の形成が一連の現象として理解できることが期待される。

Causes of Carryover

円安などの影響により,2023年度に予定している海外調査旅費が高額になったため,次年度使用額を増やした。具体的にはオーストラリアの調査に使用する予定。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] Granite rock towers shaped by mesh‐like joint sets, which formed in the shallower portion of a granite body during cooling at depth2023

    • Author(s)
      Chigira, M., Kato, H.
    • Journal Title

      Island Arc

      Volume: 32 Pages: 1-11

    • DOI

      10.1111/iar.12484

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] Primary structures of granite and following weathering schemes define landslide behavior in granite areas.2022

    • Author(s)
      Chigira, M.
    • Organizer
      European Geosciences Union General Assembly
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Origins of rock columns and corestones of granitoids and their contributions to landslides2022

    • Author(s)
      Chigira, M., Hirata, Y., Kato, H.
    • Organizer
      10th IAG International Conference on Geomorphology. International Association of Geomorphologists, Coimbra
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 地層処分母岩として考えた場合の日本の花崗岩2022

    • Author(s)
      千木良雅弘
    • Organizer
      日本地球惑星科学連合2022年大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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