2022 Fiscal Year Research-status Report
機械学習による首都圏平野部におけるボーリングデータの地層対比手法の研究
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22K03745
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
野々垣 進 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30568613)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ボーリングデータ / 地層 / 対比 / 地盤 / 特徴量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ボーリングデータにおける地層の対比処理を迅速かつ安定した精度で実施するための技術的基礎を確立し,高精度3次元地質構造解析を実現することを目的とする.本年度は,この目的の達成に向けて,地層の対比処理に有効な地盤の特徴量とその抽出方法について検討した.主な研究成果を次に記す. (1)ハードウェア・ソフトウェア環境の整備:GPUを搭載したコンピューター上にPythonおよびFortranの実行環境を整備するとともに,機械学習のための各種ソフトウェアライブラリをインストールした. (2)ボーリングデータの収集:海水準変動の影響を受けて形成された地層が地下浅部に分布する首都圏沿岸地域を対象として,土木建築工事で作成されたボーリング交換用データ(XML形式)を収集した. (3)地盤の特徴量の抽出方法の確立:ボーリング交換用データに含まれる地盤の特徴量のうち,記録されている頻度が特に高い地質・土質区分,N値,色調という3種類について,0.0から1.0の範囲の数値情報として抽出する方法を確立した.本手法では地質・土質区分については,主たる地質・土質の類似性や,混合物の種類と割合を基準に数値化する.N値は上記の範囲になるように値を正規化する.色調は日本語の文字列として記録されていることが多いため,標準土色帖に示されたマンセル値を参考にまず文字列から色相・彩度・明度を導出し,その後それぞれを正規化する. (4)地層対比に有効な特徴量の検討:抽出方法を確立した地盤の特徴量それぞれが,地層対比の精度にどの程度影響を及ぼすのかを検討するために,サポートベクターマシーンなど主要な機械学習アルゴリズムに基づく地層対比を試行した.その結果,N値,地質・土質区分,色調の順に対比精度に対して大きな影響をもつことを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画していた(1)ハードウェア・ソフトウェア環境の整備,(2)ボーリングデータの収集,(3)地盤の特徴量の抽出方法の確立,(4)地層対比に有効な特徴量の検討をすべて遂行したことから,全体としておおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
機械学習用データセットの作成と,地層対比のための機械学習アルゴリズムの確立を行う.研究計画に変更はない.具体的な研究内容は次の通りである. (1)機械学習用データセットの作成:前年度確立した地盤の特徴量の抽出方法を利用して,地質・土質区分,N値,色調などに関する数値情報と地層名とを結びつける機械学習用データセットを作成する. (2)地層対比のための機械学習アルゴリズムの確立:作成したデータセットを用いて,地盤の特徴量から安定して高い精度で地層名を予測する(地層の対比を行う)ための機械学習アルゴリズムを確立する.特に,地層の連続性を考慮した畳み込みニューラルネットワークを用いたアルゴリズムについて検討する.また,予測精度の向上を目指して,入力情報のデータ拡張についても検討する. (3)問題点の整理:地盤の特徴量の抽出方法,及び地層対比のための機械学習アルゴリズムの問題点を整理し,次年度の計画を検討する. (4)成果発表:中間成果をまとめて学会発表する.
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