• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

地下水が地震波速度に与える影響を制御震源と地震計アレイ観測を組み合わせて解明する

Research Project

Project/Area Number 22K03776
Research InstitutionShizuoka University

Principal Investigator

生田 領野  静岡大学, 理学部, 准教授 (60377984)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡辺 俊樹  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50210935)
山岡 耕春  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (70183118)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords地震波速度 / 人工震源装置 / 地下水 / 降雨
Outline of Annual Research Achievements

精密に制御された人工震源装置と地震計アレイを用いて、地震波走時の時間変化を観察した。降雨に伴う走時変化が特に顕著なラブ波、レイリー波について、2つの波群ではその応答感度と減衰の時定数が顕著に異なり、時定数はラブ波では20日、レイリー波では10日が卓越していることがわかった。またその感度はレイリー波がラブ波より大きい。
これらをアレイ直下での地下水位、近傍河川の水位の降雨に対する応答と合わせて解釈した。河川水位の応答には地震波の応答よりずっと速い数日と、ラブ波の変化相当の20日程度の成分が混在する一方で、地下水位は4m程度の深さで、これらに比べてきわめてゆっくりと変化していることが分かった。河川水位の二つの成分は典型的な地表流出成分と地下水流出成分であり、ラブ波が地下水流出成分をよく反映している一方で、レイリー波は地表流出成分の影響を受けていることを示唆している。
直達波でも同様の解析を行った結果、P波とS波ではラブ波に似た、降雨に対して20日程度の時定数をもった指数関数の応答が見られ、レイリー波とは似ていないことがわかった。
さらに速度の変化率はP波の方がS波の倍程度大きい。既存の、岩石中のクラック密度と水飽和率の関係では説明がつかない変化であり、土壌における間隙率と飽和度を地震波速度と関係づけるなんらかの定式化が必要である。
後続波の応答に含まれている季節性の非線形な応答成分については、長期的な地下水位の季節変動に降雨が重畳しているものとして理解できることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

降雨、地下水位データの蓄積により、降雨に対する応答の詳細な検討ができた。またアレイ解析により後続波を同定できたことで、異なる波群の応答の違いから、地下水および地表水がどのように地震波速度の変化に寄与するのか、一定の理解に達する結果が得られた。
他方で前年度判明した地下構造の推定の不確定性に対しての原理的な改善が難しく、異なるアプローチを行っている。
上の結果の普遍性の確認のために事例を増やして整理する必要があると考えるが、新たなサイトの選定には遅れが出ている。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、降雨に対する地震波速度の応答メカニズムの追求を行う。ここまで異なる波群間での応答の違いが明らかになったので、更に以下の3点を中心としたアプローチを進める。すなわち、1.異なる条件やサイトでの観測。2.異なる波群の応答の違いの定式化。3.地盤の強度変化の検出である。
1.これまでのサイトは震源-観測点間に沖積層で埋められた谷地形を含み、主に沖積層表層を流れる地表水と地下水の応答が見られたものと考えられる。今後は間に沖積層を含まない緩斜面に地震計を設置し、斜面での地表流出成分と斜面への浸透、地下水流出の影響が地震波速度の変化にどのように表れるのか比較検討を行う。
2.P波ではS波より地中の水分量に対する応答が大きい(より遅れる)ことがわかったので、土壌における間隙率、飽和度と地震波速度の関係の弾性論的な考察、立式を行う。
3.2を経て、地盤の強度を変化させると考えられる、間隙率の増大を伴う地下水変化を抽出する。

Causes of Carryover

新たなサイトの選定が遅れて新たな観測点での観測を始められなかったため。
翌年度に新たな観測点の設置のための物品購入費、旅費の補助として使用する計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 人工震源システムによる地殻モニタリング2024

    • Author(s)
      生田領野
    • Organizer
      シンポジウム 地震火山研究と防災・減災
  • [Presentation] Surface wave monitoring using ambient noise for detecting temporal variation of underground structure of landslide2023

    • Author(s)
      Feng Chen, Koshun Yamaoka, Ryouya Ikuta, Shuhei Tsuji , Toshiki Watanabe , Haruno Koike, Hiromu Oba
    • Organizer
      IUGG 2023
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi