2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K03783
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
風早 竜之介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50637379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 宏志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 招聘研究員 (80357194)
森田 雅明 東京大学, 地震研究所, 助教 (40805149)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 火山ガス / 空中観測 / 火山ガス組成 / 二酸化硫黄放出量 |
Outline of Annual Research Achievements |
桜島火山において、セスナ機を用いた空中火山噴煙観測を実施した。セスナ機にガスセンサー類を搭載し,桜島上空を飛行して火山噴煙を観測し,基礎となる火山噴煙中の二酸化硫黄(SO2)放出量と火山ガス組成(H2O,CO2,H2,SO2,H2S)を測定した。観測は二日行い,初日は2時間30分強,二日目は3時間弱,観測飛行を行った.初日は火山噴煙中のSO2濃度が最大7ppm程度の比較的シグナルの強い良好なデータが取得できた.二日目は噴煙が雲に掛かっていたため雲の直下を飛行し,火山噴煙中のSO2濃度は最大1ppm程度であった.観測に用いたPCの動作不良により,SO2放出量観測データは一部欠損がある.このため観測PCの調整あるいは調達が必要である.観測データは現在解析中である。 人工衛星観測データ(Sentinel-5搭載TROPOMIセンサー)の火山噴煙中のSO2放出量の解析技術について、西ノ島火山の2022年9月-10月の噴煙を対象として評価を行った。特に2022年10月にはSO2放出量が最大14000 ton/dayという高い値が得られた.この技術について特に解析する高度の差異による定量依存性について議論を行った.また,本結果を火山噴火予知連絡会に資料として提出した. セスナ機に搭載して観測に使用するガスセンサー類(Multi-GASおよびアルカリフィルタ)について,阿蘇火山にて赤外光学式センサー(ブルカー社製OPS他)との比較観測を実施し,ガスセンサー類の定量性能の評価を行った.観測データは現在解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
子の出産に際し、育児休暇を取得した。このため、研究に割く時間が減少し、進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた桜島の火山噴煙の人工衛星観測についての定量性について評価を進めていく。日本の火山の場合は欧米の火山と比べて、雲などの影響で噴煙中の二酸化硫黄の検出が比較的困難であることがわかりつつある。状況に応じて、観測データの選別手法などに研究対象を切り替えることも念頭に置く。 セスナ機を用いた火山ガス観測について令和5年度も実施し、必要に応じて過去の観測データの照会なども行い、データの蓄積と解釈を進める。
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Causes of Carryover |
予算・プロジェクトをやりくりした際に運営費交付金によって当初予定していたセスナ借上の費用を賄うことができた。これによって生じた次年度使用額については、令和5年度にセスナ機を借り上げる費用として使用する。
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Remarks |
産総研 地質調査総合センター (GSJ) が火山噴火予知連絡会に提出した資料
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Research Products
(1 results)