2023 Fiscal Year Research-status Report
Studies of Chemical Evolution Processes reaching Molecular Levels based on Nanotechnology and Computational Science
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22K03793
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
原 正彦 熊本大学, 大学院先導機構, 客員教授 (50181003)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己組織化 / 化学進化 / 生命の起源 / ナノテクノロジー / 計算科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今までに得られたアミノ酸分子と鉱物表面の相互作用と反応サイトなどに関する実験データに基づき、化学進化場としての鉱物表面の分子の選択性と反応性を議論した。鉱物表面では、異なるアミノ酸分子種の中から特定の分子を選択し、かつペプチド結合を形成し、同種または異種の選択されたアミノ酸分子の二量体化ないしは重合化が促進されることが確認された。それらの化学進化プロセスについて、国際会議で発表すると共に、生命の起源の観点から、その分子反応の最初期の過程で、鉱物表面が、化学進化場として重要な機能を発現していた可能性を示唆した。また、それらの過程について、計算科学の観点からフィードバックされる水分子の役割などを検証する実験系の議論を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単一分子レベルに至る化学進化場の起源を実験的かつ計算科学的に解明するプロセスが計画通り順調に進み、それらの間のフィードバックに基づく新しい実験系の設計などへの議論の展開も順調に遂行されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの実験結果から、従来議論されて来たマクロないしバルクの状態での反応過程と比較して、単一分子レベルに至る化学進化プロセスに関する描像を提示する。また最終年度として、アストロバイオロジー分野にナノテクノロジーを導入することによる新しい可能性を提示したい。
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Causes of Carryover |
実験を実行する上で、実験装置ならびに分析装置に関する費用がかからず、また、消耗品の追加も少なかった。計算科学などについても、従来の機器を有効活用し、ハードおよびソフトについての強化費用の負担が軽減した。 次年度は、多くのデータ解析とその分析結果のまとめを実行する計画にあり、次年度使用額が生じた分の有効活用に務めたい。さらに、論文執筆や学会発表などの成果報告にかかる費用にも運用したいと計画している。
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