2023 Fiscal Year Research-status Report
超音波穿孔加工を用いた熱可塑性CFRP板材接合技術の確立
Project/Area Number |
22K03806
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
明松 圭昭 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (20396766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 啓光 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90389718)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 複合材料・物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
CFRPは高強度,高剛性,耐食性に優れる,など従来の材料にはない優れた特性を有するため,様々な分野で適用が進んでいる。近年,成形のしやすさ,リサイクル性の良さなどから熱可塑性CFRPの開発が進められているが,成形後の加工(2次加工)においては炭素繊維を含んだ材料であるため加工が困難なうえ,繊維破断や層間はく離などが生じた場合には金属材料以上に著しい強度低下が生じることが問題となっている。これは加工部分の材料を取り除く除去加工では必ず生じる問題である。そのため一体成型を行うなどして2次加工を少なくしている。その結果,大型設備が必要なうえ汎用性が乏しいなどコストが高くなることで普及の妨げとなっている。 そこで我々の研究グループが開発したのが超音波穿孔加工法である。本手法は除去加工とは異なり,強度低下につながる繊維破断を回避しながら加工が可能,加工時間の大幅な短縮が可能,硬度の低い材料(アルミニウム針等)を工具として適用し穴加工可能など,熱可塑性CFRP材の穴加工に適していることが明らかになっている。しかし本手法は2016年に開発された新しい加工法であるため,応用研究が全くなされていない。また最適な加工条件の明確化および詳細な加工メカニズムの解明には至っていない。そこで本研究では超音波穿孔加工を応用し加工した穴に高強度なワイヤーを通し縫い合せることで熱可塑性CFRP板材同士を接合する技術の確立を目指した。2023年までの研究により針状工具の先端は砲弾型で,材質はステンレス鋼程度以上の硬度が適していることおよび加工初期(摩擦熱の発生が十分でない)は加工が進みにくいことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標である超音波穿孔加工時に熱可塑性CFRPの炭素繊維の破断(強度低下)を減少させるために,押付け力,定速送りなど加工速度が材料強度におよぼす影響を調査した。加工初期(摩擦熱の発生が十分でない)は加工が進みにくいことが明らかになり,顕著な強度低下は観測されなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は加工条件,特に押付け力を制御することで加工速度および加工精度への影響を調査する。 具体的にはAEセンサを試験片に貼り付け加工のモニタリングを行う。そうすることで不連続体を加工する際に生じる摩擦熱の影響,固定治具の影響などを調査する。
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Causes of Carryover |
昨年度購入予定であった針状工具先端形状の観察等に使用予定の顕微鏡購入を行った。
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Research Products
(1 results)