2023 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental characterization of Carbon Nano Flexible Shafts by the molecular dynamics method
Project/Area Number |
22K03824
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
西村 正臣 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (40554580)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 分子動力学 / カーボンナノチューブ / 回転伝達軸 / 座屈 / ナノ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,カーボンナノチューブ(CNT)をナノ空間における柔軟な回転伝達軸を想定したカーボンナノフレキシブルシャフト(CNFS)という新しいナノ構造部材として応用する前段階として,分子動力学法による原子シミュレーションを実施する.具体的には,分子動力学法を用いて,CNTの内層を曲げた状態で両端を固定することにより軸受けとしての役割を担わせるとともに,外層部分に回転を伝達させるようなシミュレーションを実施することで,CNFSを想定した動的なシミュレーションにより回転伝達に関する基礎的特性を評価する. 令和5年度は,前年度に引き続き分子動力学法を用いたCNTの回転シミュレーションについて検討し,一端に回転を加えた場合に生じる振動が,1層のみを円筒形状とみなした場合の固有振動数と一致することなどを明らかにした.さらに,前年度に実装した多層CNTの両端の軸をずらすような条件で曲げ変形が生じるような分子動力学シミュレーションを基にして,CNTの軸がズレた状態で内層を固定したまま外層のみに回転を与える分子動力学シミュレーションを実施して回転変形挙動について評価した. さらに,これまで多層CNTのみを対象としてきたが,複合材料中におけるCNTの回転挙動についても検討にも着手した.具体的には,エポキシ構造を貫くような多層CNTを含む原子モデルを対象として,多層CNTの外層がエポキシ構造に拘束された状態で,内層側に回転を加えるようなシミュレーションを今後実施する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,曲げ状態において回転を実施するような分子動力学シミュレーションを実装できており,今後はさらに大規模なモデルや様々な条件でのシミュレーションを実施して,結果を整理する.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度と令和5年度で得られた直線形状および曲げ形状でのCNT層の回転シミュレーションの結果を整理するとともに,より寸法の長いモデルを対象とした解析を実施する.さらに,複合モデル中でのCNTの回転挙動についても検討する.
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Causes of Carryover |
当初予定していた計算機よりスペックを下げたので,計画に比べて差額が生じた.令和6年度以降の予算と合算して,物品費,旅費などに使用する.
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