2023 Fiscal Year Research-status Report
Systematic quantitative characterization for the mechanical robustness of flexible thin film devices against repeated bending deformation
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22K03825
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉 隼人 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90578337)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フレキシブルデバイス / 曲げ疲労試験 / 曲げ耐久性能 / フレキシブルプリント回路基板 / 銅配線 / 電子顕微鏡観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に試作した曲げ疲労試験機を用いて、フレキシブルプリント回路基板を対象に、曲げ負荷強さに対する配線の劣化挙動および疲労寿命を定量的に評価した。負荷様式の影響を評価するため、配線に引張と圧縮を交互に繰り返し負荷する対称両曲げ疲労試験(一軸二方向曲げ)、配線に引張を繰り返し負荷する片曲げ引張疲労試験(一軸一方向曲げ)を実施し比較した。同一平面内に面間距離と繰り返し回数の軸をとり、平面の垂直方向に正規化したコンダクタンスをプロットすることで、配線の劣化挙動と疲労寿命を立体的に視覚化して評価し、以下の研究実績を得た。 面間距離の曲げ負荷が厳しい条件では、配線の劣化・断線までの曲げ回数が50~100回前後と極めて短く、面間距離が大きくなるに従って劣化・断線までの曲げ回数が増加する結果が得られた。配線幅が短いほど劣化・断線に至る過程が急峻であり、配線幅が太くなるほどなだらかに劣化していく様子が見られた。これらの傾向は異なる負荷様式の違いにおいても同様の結果を示しており、配線の疲労寿命は曲げ負荷強さに依存することが分かった。一方で、面間距離が大きくなるほど、負荷様式の違いによって疲労寿命に大きな差が生じる傾向にあることを確認した。このことから、フレキシブルデバイス開発において、曲げ負荷強さがデバイスの疲労寿命を決定する重要な評価指標であり、さらに低負荷な設計仕様においては、負荷様式を考慮した疲労設計が必要であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って、試作した疲労試験機を用いて、負荷様式(片曲げ、両曲げ)に対するフレキシブルデバイスの疲労寿命を定量的に評価し、デバイス設計に対する重要な指標を実験的に得た。これより、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って、フレキシブルデバイスの疲労過程や疲労破壊を電子顕微鏡観察し、劣化挙動や破壊現象を明らかにする。
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Causes of Carryover |
FPCの曲げ耐久試験を重点的に実施したことで、銀ナノ粒子インク配線の試作に必要な経費が未使用となった。次年度、電子顕微鏡観察実験と並行してインク配線の試作と評価を実施予定。
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