2022 Fiscal Year Research-status Report
Ultra-high cycle fatigue strength of hierarchical anisotropic nanostructured alloys by precision structural analysis
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22K03828
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
陳 強 九州大学, 工学研究院, 教授 (30264451)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 疲労 / 階層異方性 / 高サイクル / 精密構造解析 / マグネシウム合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究計画として、固溶処理で結晶粒内に形成されたラメラ状長周期積層構造相(以下LPSO相と呼ぶ)と粒界に形成されたブロックLPSO相の影響微視的硬質層(ラメラLPSO相)と軟質層(ナノスライスMg相)の相互積層により構築される階層異方性ナノ構造高強度Mg-Gd-Y-Zn-Mn系合金押出材について、(1)超高サイクル疲労における疲労強度に及ぼす階層異方性ナノ構造組織の影響と(2)1~数結晶粒程度の微小き裂の発生と伝ぱに及ぼす階層異方性ナノ構造の影響を精密構造解析により調べる。 (1)超高サイクル疲労における疲労強度に及ぼす階層異方性ナノ構造組織の影響に関して:高強度(耐力:押出材509 MPa、時効材571 MPa)とある程度の延性(伸び率:押出材5.4%、時効材3.7%)を兼ね備えたMg-Gr-Y-Zn系合金を用いて、室温大気中で超音波疲労実験を行った。Mg-Gr-Y-Zn系合金の疲労強度を1千万回時間強度で比較した場合、鋳造また固溶状態では約60 MPaで非常に低く、押出加工とピーク時効処理状態では時間強度がそれぞれ150 MPaと180 MPaとなり、鋳造状態と固溶状態の時間強度に比べると約150~200%も上昇した。 (2)き裂発生と伝ぱ挙動に及ぼす階層異方性ナノ構造組織の影響に関して:微小き裂の発生及び初期き裂の伝ぱを計測するため、疲労試験を所定のサイクルで中断しながら実施した。き裂の表面連続観察はレプリカ法および光学顕微鏡による直接観察法にて行い、疲労破面の解析は走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡を用いて実施した。押出加工で導入した強い底面集合組織を形成する末再結晶領域と、微細で比較的ランダム配向した再結晶粒領域からなるバイモーダル組織が底面すべりやき裂の発生にどのように影響したのかを検証した。 関連課題の研究論文2件を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験は計画通りに進捗している。関連課題の研究論文2件を投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進行しており、当初計画通りに研究を進める。研究のさらなる推進としては、階層異方性ナノ構造の影響を評価するため,対象となる結晶にFIB加工によるスリット状予き裂を導入しき裂伝ぱ試験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
支出予定をしていた学生謝金は払わず済んだので次年度消耗品購入に充てる予定である。
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