2022 Fiscal Year Research-status Report
Vivid laser coloring by nitridation and surface periodic structure formation
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22K03845
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
松尾 繁樹 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20294720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 敏彰 愛知工科大学, 工学部, 教授 (20513716)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フェムト秒レーザー / レーザー誘起表面周期構造 / 構造色 / 窒化 / 酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)フェムト秒レーザーを用いてに表面周期構造の作製を行った。ガルバノミラーを使ってレーザー光を走査することで,高効率に作製するシステムを構築した。これを用いて,ステンレス(SUS304)やマグネシウム基板に作製した。とくにステンレス基板において,顕著な発色が見られた。多様な条件(レーザー光の強さ,走査速度,走査線と線との間隔)で作製したところ,発色の程度にはこれらの条件に対する依存性が見られた。しかし,色を決定する大事な要素は構造の周期であるが,周期を大きく変化させることはできなかった。また,とくにレーザーを強く照射したときには,サビのようなものが発生した。これは酸化によるものと考えられたため,酸化を抑制するために窒素ガスを吹き付けながらレーザーを照射すると,サビのようなものの発生は減少した。 (2)シリコンおよびアルミニウムを試料として,レーザーによる窒化およびそれを利用した着色を試みた。この二つは,酸化・窒化による着色を念頭に置いて選定したものである。このうち,シリコンは高品質で高度に研磨されたものが容易に入手できる。しかし,アルミニウムではそれが難しい。そこで,電解研磨を用いて,平坦性の高いアルミニウム基板を作製した。加えて,スパッタリングを用いて,ガラス基板表面に平坦なアルミニウム膜を作製した。これらの試料に対し,空気中でレーザーを照射したところ,窒化は起こらず酸化のみが生じた。そこで,還元性雰囲気とするために水素を5%した窒素ガスを用意し,容器中に封じ込めた状態でレーザー光を照射したところ,酸化は起こらなかったが,窒化も見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで,画期的な成果が得られたわけではないが,まずは順調に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)表面周期構造の作製に関して,様々な試料と条件を用いることにより,周期の制御を試みる。とくに,入射角を変更し,周期がどのようになるかを調べる。 (2)レーザーによる材料窒化を引き続き試みる。最終的な目的は着色であるが,よりも,まずは窒化を生じさせることを優先し,多くの材料で試みる予定である。さらに,これまでに窒素ガスや水素混合窒素ガス雰囲気下でのレーザー照射を行ってきたが,これに加えて窒素プラズマ照射下でのレーザー照射による窒化を試みる。 (3)着色の定量的な評価に関する研究も進める。表面周期構造や表面薄膜による着色では,光源および観察の角度によって現れる色が異なるため,これらを適宜変えながら反射スペクトルを測定する。
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Causes of Carryover |
購入を予定していた物品の一部を,他の予算で購入し,使用することができたことと,研究分担者との研究打ち合わせをオンラインで行ったことが,次年度使用額が生じた主な理由である。今後は,これを主に消耗品購入に割り当てて研究を推進する。
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