2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K03850
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
金子 健正 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60708618)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超音波振動 / 放電加工 / 超硬合金 / 微細深穴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、放電加工において工具電極が消耗しても超音波振動が継続し、かつ、加工に最適な任意の超音波振動周波数を付与できる“非共振型”の超音波振動工具の開発を目的としている。本機構の開発と放電加工への適用により、これまで超音波振動工具の適用が難しかった超硬合金や微細深穴加工の加工特性向上を目指している。今年度は、本機構の振動モードの解析を行った。試作した超音波振動工具のアドミッタンス曲線より非共振性を推測しているが、20 kHz超の超音波振動実現のためには振動モードを明らかにする必要がある。そこで、有限要素法に基づく計算ソフトであるANSYSを用い、超音波振動工具の形状、寸法、材料及び超音波振動子の拘束条件において、超音波振動の振動モードを解析した。次に、10kHz~50kHzの超音波振動付与と振幅測定を行った。レーザードップラー振動計を用いて振動周波数を変化させながら超音波振動振幅を測定し、非共振型超音波振動工具の振動特性を明らかにした。その結果、周波数全域で数μm程度の振動が観察され、特に12kHz、17kHz、40kHzでは10μm以上の振幅が得られた。また、これらの周波数においては20mm程度の工具電極の長さの変化によらず、継続して超音波振動が得られた。このことから、工具電極が消耗しても超音波振動が継続すると考えられる。開発した機構は、加工条件や工作物の種類に応じて周波数と振幅が変更できる超音波振動工具としての活用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
想定した計画の通りに超音波振動工具の開発を進めることができた。さらに、機械構造用炭素鋼に対して超音波振動工具を用いた放電加工を行い、その効果を検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
超音波振動工具を用いて超硬合金や微細深穴の放電加工を行い、超音波の周波数や振幅が加工特性に及ぼす影響を明らかにする。
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