2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K03850
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
金子 健正 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60708618)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超音波振動 / 放電加工 / 超硬合金 / 微細深穴 / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、放電加工において工具電極が消耗しても超音波振動が継続し、かつ、加工に最適な任意の超音波振動周波数を付与できる“非共振型”の超音波振動工具の開発を目的としている。本機構の開発と放電加工への適用により、これまで超音波振動工具の適用が難しかった超硬合金や微細深穴加工の加工特性向上を目指している。今年度は、超音波振動数が超硬合金の放電加工特性に及ぼす影響について調査した。工具電極直径φ3mm、アスペクト比5の底付穴加工を行った。振動周波数を15 kHz~50 kHzの範囲で変化させ、加工速度、工具電極消耗及び表面粗さを測定した。加工の安定性は、Z軸変位の履歴及び放電波形の観察と分析により評価した。超音波振動によって各加工特性は10 %程度向上することが分かった。Z軸変位と放電波形を観察した結果、超音波振動によって加工の停滞が少なく、正常放電の割合が増加することが分かった。このことから、超音波振動によって放電加工が安定することが分かった。また、加工表面と加工表面断面を観察した結果、超音波振動を付与することで加工表面に発生したクラックが減少し、クラックの深さも浅くなることを明らかにした。超音波振動の付与により、放電加工後の磨き工程の簡略化が期待できる。さらに、超音波振動数が微細深穴の放電加工特性に及ぼす影響についても取り組み始めている。工具電極直径φ50μm、アスペクト比20を超える微細深穴加工を行っている。振動周波数を15 kHz~50 kHzの範囲で変化させ、加工速度、工具電極消耗及び加工穴精度(直径差)を測定し、結果を考察している段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
想定した計画の通りに超音波振動工具の効果を明らかにすることができた。また、超硬合金の放電加工後の磨き工程簡略化の期待など、新たな効果を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
超音波振動工具を用いて微細深穴の放電加工を行い、超音波の周波数や振幅が加工特性に及ぼす影響を明らかにする。また、超音波振動の付与による加工特性向上のメカニズムを明らかにする。
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