2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of friction solid phase consolidation process for metal powder by multi-axis stress and material structure design
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22K03854
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
三木 寛之 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (80325943)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 粉末プロセス / 材料設計 / 表面・界面物性 / 構造・機能材料 / 機械材料・材料力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
粉末冶金法に代表される金属粉末を原料にして目的形状へ成形する手法は、素材の無駄を生じないことから、製造工程の省エネルギー化に向けた有効な造形プロセスとして注目されている。本研究ではこの手法を構造材や機構材の製造に適用するための試みとして、圧縮せん断法による多軸応力を利用した新たな粉末成形手法を提案し、素粉末を原料とした合金材料成形や異材コーティング、三次元構造造形を可能とする技術の確立を目指している。金属素粉末の摩擦固相接合技術である圧縮せん断法は、材料粉末を高温で溶融することなく固相→固相成形する手法である。成形プロセスは金型板間に粉末を充填し圧縮力を加えながら金型をせん断方向に移動させる単純なものであるが、プロセス中に互いに強く擦れ合うことにより塑性変形された原料粉末が接合(摩擦固相接合)し、微細な結晶粒を有する薄板を常温常圧大気雰囲気においても作製することができる。この手法を実用的な構造部材や機構部品に適用し、さらに材料特性を向上させることを目的として、混合素粉末の合金化、添加物や化合物の分散(強化)、複合化についてその技術的な可能性を見出すことを目指し、純金属あるいは合金の標準的な機械的特性(硬度、強度)と同等あるいはそれ以上の特性を示す材料を粉末から直接成形する手法を開発する。研究初年度は成形温度による成形性や成形体の材料特性の変化と成形プロセスにより導入されるせん断ひずみ量の相関について調査した。具体的には加熱可能な金型を用いた温間成形手法で純金属の固化成形を行い,粒子間に形成される酸化物の量と分散性、また導入されるせん断ひずみの違いによって生じる粒子間接合状態の差異と機械的特性の相関について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は常温から300℃程度の中温域で塑性変形させた粉末材料を固相接合することによって、純金属粉末原料から合金ならびに複合材料を作製することが可能となる材料プロセス(圧縮せん断法)の開発に関する研究である。ここでは、混合素粉末の合金化、添加物や化合物の分散(強化)、複合化についてその技術的な可能性を明らかにして、純金属あるいは合金の標準的な機械的特性(硬度、強度)と同等あるいはそれ以上の特性を示す材料を粉末から直接成形する手法を確立する。具体的には、純金属ならびに複合(混合)粉末について、室温-300℃の温度条件下で圧縮せん断法による粉末の固化を行い、成型条件と成形材の微細構造分析によって、成形材の機械的特性を向上する条件を見出すとともに、異種金属粉末を用いた加工による素粉末の直接合金化を試みる。初年度には、①圧縮せん断用温間金型を用いた試料作製、②加熱温度と材料(微細)組織の関係性評価(成形条件および固化条件の定量化、粒子間の変形、接合挙動モデルの検討)を実施し、金型を200℃-300℃程度に加熱し粉末成形することによる有効性と成形条件による材料特性の違いを明らかにした。その結果、常温での成形が困難な金属種においても、加熱によりせん断ひずみを有効に導入することによって固化成形が可能であることを示した。さらに、機械的特性に影響を与える加熱成形条件を抽出し、粒子間接合のモデルの特性パラメータとすることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度研究の実施により、先行研究や関連する研究によって示されている成形時加熱の有効性を確認し、金型加熱時に生成する酸化物を抑制することによって、安定した成形が可能な条件を見出すことができた。このように成形温度と成形性の関係性を明らかにすることによって、加熱により成形プロセスがどのように進むかを示すと同時に粒子接合に最適な温度やせん断による応力条件を明らかにすることができる。今後は初年度の研究内容を継続し、①異種材料間での原子の拡散状態の調査(電子顕微鏡観察,元素分析,構造解析)、②金型の改良、および複合材料・合金試料作製、さらに③微細組織観察による粒子間接合と原子の拡散状態への加熱の影響を調査する。さらに、温度と付加する応力の両者を変化させた試験片の組織観察、組成分析および構造解析を行うことで加熱による原子の拡散が圧力を付与した状態でどのように進行するのかを明らかにし、④温度を含む加工パラメータによる多軸応力成形による粒子間の接合、あるいは粉末固化の現象論モデルを確立する。
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Causes of Carryover |
研究の実施計画に変更はなかったが、原材料費と実験消耗品費を別途予算にて支弁することが出来たため当初予算に計上した経費による支出が少なくなった。また、コロナ感染拡大により予定していた学会参加がオンライン実施となったり、共同利用装置を用いた実験等が中止となったりしたため、旅費の支出についても予定していたものとならなかった。ただし、本事業においては研究実績の概要に示したように学内設備や依頼分析によって目標の成果を得ることが出来たので、研究計画に変更の必要はない。そのため、当該研究費は令和5年度実施の研究費として使用する。具体的な支出予定費目は以下の通りである。[物品費(原材料費、加熱金型作製費、電子顕微鏡用消耗品、表面研磨用消耗品、断面試料作製用消耗品、材料加工消耗品)、旅費(成果発表、調査研究、研究打合せ、資料収集)、その他(論文投稿料、学会登録料、分析委託費)] また、令和5年度においては様々な行動制限が撤廃されることがすでに公表されており、国際会議や国内学会等も従来の対面開催を併用した実施となることが予想されることから、本事業の成果発表を積極的に行い、その費用の一部としても当該予算を充当する予定である。
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Research Products
(3 results)