2022 Fiscal Year Research-status Report
金属AMにおける余剰固化部生成メカニズムの解明と平滑化プロセスの研究開発
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22K03859
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
阿部 諭 金沢大学, 設計製造技術研究所, 特任教授 (30882584)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アディティブマニュファクチャリング / レーザ / 金属粉末 / ポーラス構造 / ラティス構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属を材料としたアディティブマニュファクチャリングの大きな課題のひとつである「側 面の粗さ」に着目し,その要因である端部に発生する「余剰固化部」の形成メカニズムを実 験的・解析的に明らかにし,余剰固化部の平滑化プロセスを提案することを研究目的とする. 今年度は,IRレーザと金属粉末(マルエージング鋼粉末)を適用した PowderBedFusion 法(PBF/LM)におけるレーザのハッチングパターン,特に端面でのハッチングパスの長さと側面の粗さとの関係を把握し,造形物端部の温度と余剰固化量に相関があることを確認した.0.1mm 以下のごく短いハッチングパスの集合部では造形物がより高温となり,周辺の粉末がより多く凝集されて余剰固化量が大きくなるため,側面の粗さに影響があることが確認された.側面部の平滑化を実現するためには,局所的な温度蓄積を避けるハッチングストラテジが必要であることが確認された.また,マルエージング鋼粉末を用い,小径孔を有する造形物をX線CT三次元測定機(ニコンMCT225)で撮像し,小径孔内部の表面状態と各部位における孔の大きさとそのばらつきを可視化することができた. 今年度の評価結果より,レーザのビームエネルギ分布が余剰固化部の形成様態と何かしらの相関がある可能性が見いだされた,次年度以降は,レーザビームのエネルギプロファイルと余剰固化部の形成形態との関係を評価し,平滑化するためのレーザ要件,加工条件の検討を実施する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
造形物内部表面の評価方法としてX線CTが有効であることが確認できた. 特に端面でのハッチングパスの長さと側面粗さとの関係を把握し,造形物端部の温度と余剰固化量に相関があることが確認され,側面部の平滑化を実現するためには,局所的な温度蓄積を避けるハッチングストラテジが必要であることが確認された.
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Strategy for Future Research Activity |
造形物の形状(特に小径孔,オーバーハング角度)による余剰固化部の量,粗さ,ばらつきを評価し,角度に応じたレーザ照射条件を検討する. さらに,レーザビームのエネルギプロファイルと余剰固化部の形成形態との関係を評価し,平滑化するためのレーザ要件,加工条件の検討を実施する.
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Causes of Carryover |
コロナ渦の影響によりWeb会議の活用が多く,当初計画より旅費交通費の使用が少なくなった.次年度以降は,旅費・分析評価費・材料費等に充当する.
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