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2022 Fiscal Year Research-status Report

溶融金属の移動現象を考慮した抵抗スポット溶接手法の構築

Research Project

Project/Area Number 22K03868
Research InstitutionOsaka Institute of Technology

Principal Investigator

伊與田 宗慶  大阪工業大学, 工学部, 准教授 (90736464)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords抵抗スポット溶接 / 溶接チリ / 対流 / 超ハイテン材
Outline of Annual Research Achievements

本研究は,これまで抵抗スポット溶接において未解明の現象であった溶接中における溶融金属の移動現象に着目し,そのメカニズムを明らかにすることで,溶接部の温度場・形状制御を行う抵抗スポット溶接手法を構築するものである.本研究課題では,その第一歩として,溶融金属の体積減少や溶接欠陥の生成,さらには溶接部端部の形状変化など,超ハイテン材溶接継手の接合強度を大きく低下させる要因である溶接チリ(溶融金属の飛散現象)に着目した検討を実施する.まず,溶接チリの発生メカニズムについては,大型放射光施設SPring-8の放射光X線を用いた直接観察(その場観察)により,溶接チリ発生時における溶融金属の移動現象を解明する.さらに,抵抗スポット溶接手法の構築については,溶接チリ制御による溶接部端部の形状制御から接合強度向上を達成する方法を考案する.本研究の成果により,超ハイテン材を用いた自動車ボディの高剛性化・高強度化を実現する抵抗スポット溶接手法について,接合強度向上に対するプロセス制御の新しい基礎理論を構築することができる.
本年度(2022年度)は,超ハイテン材の抵抗スポット溶接時における溶接チリのその場観察に向けた予備検討として,溶融金属の移動現象を把握可能な実験条件の決定,ならびに溶融金属の移動現象に関する基礎データを取得した.まず,実験条件については,放射光を照射した鋼材においてトレーサー粒子の挙動を観察可能な粒子のサイズおよび試験体のサイズを,さらに溶接チリが生じる溶接条件を,それぞれ決定した.加えて,移動現象の基礎データについては,抵抗スポット溶接時の溶融部内部における対流挙動について,放射光X線を用いたその場観察を実施した.その結果,超ハイテン材の抵抗スポット溶接中において,ナゲット内部を高速で移動するトレーサー粒子の挙動を観察することに成功した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画通り,その場観察に向けた予備検討を行うことができた.さらに,その場観察から,溶融金属の移動現象と溶接チリの発生現象について,基礎的な知見を得ることができた.

Strategy for Future Research Activity

2023年度は,接合強度向上に対するプロセス制御の可能性について検討する目的で,以下の検討を実施する.
まず,溶接チリが生じる際の溶融金属の移動現象の特徴を把握する.そのために,溶接チリ発生時における溶融金属の排出挙動や対流現象の特徴について,SPring-8の放射光を用いたその場観察により明らかにする.
次に,溶融金属の移動現象を利用した溶接部の形状制御の方法について基礎的データを取得する.そのために,溶接時に印加する電流パターンの変化や,対流に影響を及ぼす駆動力,例えば磁場などを利用した条件における,溶接チリ発生時における溶融金属の排出挙動や対流挙動の変化について明らかにする.さらに,溶融金属の移動現象と溶接部形状,さらには継手の接合強度との関係性を明らかにすることで,接合強度向上に対して有効な溶融金属の移動現象制御に関する基礎データを取得する.

Causes of Carryover

【理由】2022年度に計画していたSPring-8での実験回数に変更が生じたため
【使用計画】2022年度に計画していた2回のSPring-8での実験のうち,1回を2023年度に実施することになり,それに伴い消耗品の支出金額にも変更が生じたことから,2023年度に実施する予定の研究計画と併せて実施する.

URL: 

Published: 2023-12-25  

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