2022 Fiscal Year Research-status Report
耐風安全設計のための複数構造物に発現するウェークギャロッピングの振動制御
Project/Area Number |
22K03873
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
高井 和紀 北見工業大学, 工学部, 准教授 (50271755)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 流力振動 / ウェークギャロッピング / 振動計測 / 可視化観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,流体・構造体関連振動現象に関するもので,構造物の風害に対する防災対策のための研究である.対象とする構造物は,矩形柱状物体が複数で存在する場合とする.複数の物体が存在する流れ場では,単独物体の場合には発生し得ない流力振動が発現する場合がある.本研究は複数物体に発現する流力振動の代表的な現象の1つであるウェークギャロッピング現象(上流側物体の後流域で下流側物体に発現する流力振動)の制御を試みる.研究は模型モデル実験を行い,流力振動が発現する条件,発現を回避する条件並びに発現を抑制する条件を明らかにする. 今年度はウェークギャロッピング現象の制御に先立ち,振動特性を解明し,発現機構を検討するために2つの実験を行った.振動応答特性の解明として自由振動実験を実施した.自由振動実験とはバネを用いて供試物体を弾性支持し,風洞装置において主流の速度を変化させて発現する流力振動の振動状態を測定する実験である.構造物モデルとしては,下流側に位置する振動物体は正方形柱とし,上流側に位置する矩形柱は流れと直角方向の大きさを変化させることができる矩形柱とした.実験条件は,上流側矩形柱の大きさと2物体の各種配置条件を系統的に変化させた. フローパターンの解明に当たっては強制振動実験を実施した.実験は,回流形水路を用いてモータおよびクランク機構により構成される強制振動装置により,風洞自由振動実験で明らかとなった振動発生時の流れ場を再現した.フローパターンの評価は,水素気泡法による流れの可視化観測実験を実施した. その結果,ウェークギャロッピングとして発現する振動性状が複数あること,上流側物体の大きさによってその発現領域が変化することが明らかとなった.また,各状態におけるフローパターンを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年にわたって実施する計画である.初年度は,ウェークギャロッピングの振動特性の解明と発現機構の検討を行う.次年度は,系の構造減衰特性とウェークギャロッピングの振動特性の関係を明らかにする.そして最終年度は流れのパッシブ制御によるウェークギャロッピングの制御手法の確立を目指す. 初年度である本年度は,風洞自由振動実験において上流側矩形柱の大きさと2物体の各種配置条件を系統的に変化させた.上流側矩形柱の大きさは,下流側振動物体である正方形柱の大きさに対して0.5倍から2.0倍の範囲で変化させた.実験の結果,二正方形柱の場合に発現する振動性状とは異なることとそれらの流力振動が発現する配置条件が明らかとなった.また,水路強制振動可視化実験を行い,各配置条件における静止時とウェークギャロッピング発現時のフローパターンを明らかにした.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は3年にわたって実施する計画である.1年目は計画通りに実験を行うことができたことから,現状において2年目以降の研究計画に変更はない.2年目は系の構造減衰特性とウェークギャロッピングの振動特性の関係を明らかにする実験を行い,最終年度の3年目は流れのパッシブ制御によるウェークギャロッピングの制御手法の確立を目指す実験を行う. 系の構造減衰特性を変化させた場合の振動応答特性を調べる実験は,1年目の実験で使用した風洞自由振動実験装置に減衰装置を付加する.具体的には,電磁ダンパー装置を取り付けて構造減衰特性を制御する.実験条件は,1年目の実験で明らかとなった各上流側物体の大きさと配置において発現するウェークギャロッピングの振動性状に基づいて決定する.実験により振動応答特性データの蓄積と解析を進め,構造減衰特性と振動性状の関係を明らかにし,振動の発現を回避する振動抑制条件を検討する.
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