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2022 Fiscal Year Research-status Report

無機ナノ粒子添加によるイオン液体ゲルの生成およびトライボロジー特性の解明

Research Project

Project/Area Number 22K03882
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

平田 敦  東京工業大学, 工学院, 教授 (50242277)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 桃園 聡  東京工業大学, 工学院, 助教 (70262300)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsトライボロジー / ナノ粒子 / イオン液体 / ゲル
Outline of Annual Research Achievements

真空などの特殊環境下で機能する潤滑剤が求められている.ナノカーボンの一種であるカーボンオニオンは粒径数~数十nmの同心球多層構造をなし,真空中での低摩擦特性を有する.イオン液体は蒸気圧が非常に低いことから室温でも液体状態を保ち,熱的安定性が高い,比熱が大きいなど特殊環境下における潤滑剤として適した特性を持つ.ただし,カーボンオニオンはナノ粒子であるためにしゅう動面に留まりづらく潤滑寿命が短い,イオン液体は低速・高荷重で流体潤滑能力が低下するなどの欠点を有している.そこで,これらの特殊環境での適用性および潤滑性向上のため,イオン液体とカーボンオニオンを複合することによりカーボンオニオンゲルを生成し,その潤滑特性評価を行った.
まず,摺動部材の腐食を抑制する目的で選択したハロゲンフリーイオン液体にカーボンオニオンを添加し,攪拌・相分離することによりカーボンオニオンゲルを生成した.生成したカーボンオニオンゲルに対して,レオメータを用いて25℃および150℃におけるレオロジー特性を測定した.その結果,いずれの場合においてもカーボンオニオンゲルはせん断速度の上昇に伴い粘度が低下する傾向を示した.また,時間経過とともに粘度が低下するといったチキソトロピー性を示すことも確認できた.なお150℃においては,25℃の場合と比較して粘度が上昇する特性を持つことがわかった.次にボールオンディスク式摩擦試験機を用いて,ステンレスを摺動部材とした摩擦試験を実施し,潤滑特性を評価した.その結果,カーボンオニオンゲルは大気中,真空中とも腐食の大きな影響はみられずに潤滑性を示した.また,大気中・常温下においてはカーボンオニオンと比較し高寿命性を持ち,高荷重域ではハロゲンフリーイオン液体よりも優れた潤滑性を示した.以上より,カーボンオニオンゲルは特殊環境下において潤滑剤として機能する可能性が示唆された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

主な4つの研究課題のうち,無機ナノ粒子としてカーボンオニオンを対象に「無機ナノ粒子を添加したイオン液体ゲル生成法の確立」,「無機ナノ粒子添加ハロゲンフリーイオン液体の基礎物性評価」および「無機ナノ粒子添加ハロゲンフリーイオン液体ゲルのトライボロジー特性の評価」について研究を進めており,潤滑剤としての特性が明らかになってきている.

Strategy for Future Research Activity

無機ナノ粒子としてシリカナノ粒子を選択し,無機ナノ粒子を添加したイオン液体ゲル生成法の確立」,「無機ナノ粒子添加ハロゲンフリーイオン液体の基礎物性評価」および「無機ナノ粒子添加ハロゲンフリーイオン液体ゲルのトライボロジー特性の評価」について研究を進めていく.すでにゲルが生成されることは確認している.

Causes of Carryover

イオン液体ゲルの生成に超音波ホモジナイザーを利用する予定であったが,予備実験の結果から大きな効果がないことが明らかになり,購入を見送ったため次年度使用額が生じた.一方,イオン液体ゲルの観察のため,顕微鏡用の光源制御器が必要となっているため,次年度使用額はその購入に充てる計画をしている.

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Published: 2023-12-25  

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