2023 Fiscal Year Research-status Report
in-site内部応力分布測定によるフィラー起点型転がり疲労破壊の解明
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22K03883
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
溝部 浩志郎 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (70727718)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 樹脂積層 / 接触応力 / 応力測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本研究で使用する積層樹脂材料の理解を進めるため、引張試験を行った。樹脂積層材料の特色を活かし、様々な種類の引張試験片を設計、試験を行った後、3Dモデルを変更してすぐに樹脂積層を行うことで、より良い試験片を簡便かつ高速に作成することができた。その後、データ取得対象となる樹脂材料の引張試験を行った。 特に重要なのは高速引張試験を行うことができたことである。転がり軸受に積層樹脂が使用される場合、接触面とその周囲には繰返し応力が高速で負荷される。本年度はその高速負荷に対する樹脂材料の応答を理解するため、一般的な規格の引張試験だけではなく、独自に開発した形状の高速引張試験片を用いて試験を行った。 樹脂材料は粘弾性を持つため、引張速度による弾性率の変化を測定することは、樹脂積層材料を転がり軸受に適用するうえで重要となる。本年度は十分な時間分解能をもつセンサを使用した上で高速引張試験を行ったことで、装置側の問題(試験機剛性、モータ駆動における振動など)があったものの、樹脂積層材料の高速変形を理解するうえで重要なデータを取得することができた。 またミクロトームによる薄片加工及び偏光顕微鏡による樹脂組織の観察の知見を積み、様々な材料の加工、観察を行った。特にき裂観察を薄片から行うことができるようになったのは大きな成果である。これにより、単にき裂の断面観察を行うだけではなく、き裂先端の樹脂の状態を可視化する可能性を示唆することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
樹脂積層材料の知見が深まり、また薄片からき裂観察が行うことができるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
樹脂埋め方式を視野に入れつつ、圧縮応力可でのin-situ観察を進める。
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Causes of Carryover |
購入した顕微鏡が予想よりも安価に購入できたため、次年度使用額が生じた。翌年には研磨に伴う消耗品を購入するために使用する予定。
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Research Products
(3 results)