2022 Fiscal Year Research-status Report
微粒子エロージョン法による転がり軸受用射出成形樹脂保持器の表面強さ評価法の開発
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22K03887
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
宮島 敏郎 富山県立大学, 工学部, 准教授 (60397239)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ガラス繊維強化樹脂 / 射出成形 / 繊維配向性 / 樹脂保持器 / エロージョン / トライボロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
長年研究している微粒子エロージョン法(マイクロ・スラリージェット・エロージョン(以下,MSE)法も含む)を応用し,転がり軸受用として射出成形したガラス繊維充填樹脂保持器の表面強さ評価法を開発することを目的とし,1年目は,微小多角形投射粒子による,表層から内部方向のガラス繊維充填状態評価を行った. 特に,投射粒子に,約1μm 以下の多角形アルミナ粒子を用いることで,MSE試験を実施することで,ガラス繊維と樹脂の凹凸エッチングをした.これは,保持器内のガラス繊維と樹脂のエロージョン進行度・機構の違いを利用し実施した.これにより,保持器の場所によるガラス繊維の充填量・方向性を明確化させることができた.今回ターゲットとした王冠型樹脂保持器の場合,樹脂の挿入箇所によって,保持器の様々な先端部分の樹脂流れが大きく変化し,繊維配向性に変化が生じることを明らかにした.また,ごく表層から内部方向のガラス繊維の充填量の違いや,配向性の状態が,場所によって異なることを明確化できた.一般的な試験片などの形状と異なり,製品形状で実施する意味・重要性を明らかにすることができた.これらの観察には,レーザー顕微鏡ならびに低真空モード搭載のSEM/EDS装置を用いることで,可能にした.この結果から,成形条件による繊維配向性への影響などをみることが可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおり進んでいることから,上記の評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進めていく予定である.次は,微小球形粒子による評価および大径粒子による評価を進めていく.また,計画では,ガラス繊維についての影響を調査していたが,近年の目まぐるしい電動化への対応等から,今後は,より発展性が考えられる,炭素繊維含有の樹脂保持器についても評価していく方針である.
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Causes of Carryover |
当初,SEMでの観察で,導電性を与えるため,スパッタ装置を購入予定でしたが,新規のSEM・EDS装置が大学に入ったことと,スパッタ装置も2021年度末に急遽入ることになり,購入の必要性がなくなったため.一方で,新しいSEM・EDS用の解析ソフトが新たに必要になったため,購入を行った.そのために,その差額が生じたため.また,MSE試験を実施するにあたり,粒子の混在の影響が出てきたため,急遽,装置の改造,粒子別のスラリーポットなどの購入を行った.差額に関しては,引き続き,試験を実施するにあたっての装置改良などに充てていく計画である.
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