2022 Fiscal Year Research-status Report
実験と数値計算の協働によるKorteweg効果を伴う部分混和系界面流体力学の深化
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22K03900
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長津 雄一郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60372538)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Viscous fingering |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究グループでは部分混和系Viscous fingering (VF)を実験、シミュレーションともに成功させたが、部分混和系においてVFを抑制する知見は得られておらず、課題となっていた。ポリエチレングリコール(PEG)水溶液、硫酸ナトリウム水溶液からなる水性二相系を用いることにより、常温常圧で非混和および部分混和を調製した。それから、多孔質媒質の二次元モデルであるヘレ・ショウセル内で、低粘性液体(硫酸ナトリウム水溶液)で高粘性液体(PEG水溶液)を置換する実験を行った。このとき、PEGの濃度をいくつか変えることで、非混和系に対してより不安定なVFになり液滴を形成するパターンに加えて、VFが完全に抑制されるパターンが得られることを発見した。 このメカニズムを調べるために、先ほどとは逆にまず低粘性液体を満たし、その後で高粘性液体を一定量注入してから流体注入を停止させた静置流体界面を観察した。その結果、VFが不安定化する条件では相分離が生み出す自発流れが硫酸ナトリウム水溶液からPEG水溶液の向きに生じ、VFを抑制できる条件ではその自発流れがPEG水溶液から硫酸ナトリウム水溶液の向きに生じること、加えて非混和系ではその自発流れが生じないことを明らかにした。 これらの実験結果を基に、フィンガーの先端の濃度勾配の方が根元の濃度勾配より大きく、それゆえ自発流れが大きくなるということを仮定すると、自発流れが硫酸ナトリウム水溶液からPEG水溶液の向きに生じるときVFが不安定化し、一方、自発流れがPEG水溶液から硫酸ナトリウム水溶液の向きに生じるときVFを抑制できることを説明できるというメカニズムを提示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験ではVFの安定化に成功したが、その数値計算で再現することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
Radial系数値シミュレーションによる部分混和系VFを完成させる。3成分系部分混和系VFの数値シミュレーションを確立する。3次元条件での部分混和系VF実験を行う。部分混和系VFにおける化学種や物理条件の影響を調査する。2成分系部分混和系VFの数値シミュレーションにおけるKorteweg力の影響を調査する。
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Causes of Carryover |
実験の消耗品購入が当初予定より少なかった。本年度、その分の実験も行う。
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Research Products
(7 results)