2022 Fiscal Year Research-status Report
Numerical Analysis of Noise Reduction of Supersonic Jet by Micro Disturbance Using Beat Phenomena between Unstable Waves
Project/Area Number |
22K03902
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邊 大輔 富山大学, 学術研究部工学系, 講師 (70363033)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超音速ジェット / マッハ波 / 騒音低減 / 線形安定性解析 / DNS |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では,これまで確認されたM=2.0 (Mc=1.0), Re=2000の超音速乱流ジェットに,制御用流入撹乱として同一振幅・同一振動数の回転方向が異なる線形不安定なヘリカルモードを組み合わせた速度変動をジェット中心速度の10%の大きさで加えた結果,加えられた低い位相速度を持つ第三ヘリカルモードペアの増幅によりジェットせん断層の拡散が促進すされることによりマッハ波の低減効果を有するという知見に対し,より高いレイノルズ数およびマッハ数におけるジェットから放射されるマッハ波の低減効果の可能性を探るため,線形安定性解析により低速な位相速度を持つ不安定波に対するジェットせん断層厚さに対する影響を調査を行った.線形安定性解析には空間の離散化にフーリエ級数を用いた高精度のスペクトル法を用い計算を行い以下のことを確認した. マッハ数の増加に伴いヘリカルモードペア増幅によるジェットの拡散効果は低下する.また,マッハ数の増加に伴いヘリカルモードペア増幅に伴う拡散時にジェットから放射される圧力変動は大きくなる.すべてのモードが超音速の位相速度となるM=2.4においても,ヘリカルモード周方向波数が大きくなるにつれ位相速度が下がり,ヘリカルモードペア増幅に伴う拡散時にジェットから放射される圧力変動は小さくなる.このことは,高マッハ数において位相速度が超音速となっても,相対的に低い位相速度のヘリカルモードをジェットに加えることにより,マッハ波を低減できる可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用を予定していた東京大学のスーパーコンピューターシステムの更新があり、解析用シミュレーションコードのチューニングに時間がかかり研究計画より遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き第一段階で予定していた異なる振動数のヘリカルモードを組み合わせた流入撹乱のみを上流から与えた超音速ジェットのシミュレーションの実行およびうなりによるジェット渦構造の軸対称性の崩れに対する振動数の差の影響を調査する.また,第二段階として,乱流ジェットを模擬したランダム撹乱のみのシミュレーションと、ランダム撹乱に異なる振動数・周方向波数のヘリカルモードを組み合わせた撹乱を加えたシミュレーションを実行し比較することにより,ジェットから放射されるマッハ波の低減効果を調査する。このとき、マッハ波低減効果の高いヘリカルモード間の振動数差(または周方向波数の組み合わせ)およびヘリカルモードの振幅を探る。
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Causes of Carryover |
使用を予定していた東京大学情報基盤センターのスーパーコンピューターの入れ替えがあり、解析に用いるプログラムの並列化等のチューニングに手間取ったため、後処理で用いる高速計算機(科学技術計算向けワークステーション)の購入を次年度に見送った。
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