2022 Fiscal Year Research-status Report
Applying large eddy simulation to dissipative particle dynamics modeling toward better understanding of complex flow phenomena
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22K03904
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 格 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40772067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森西 洋平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40222351)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 散逸粒子動力学法 / 粗視化 / 運動方程式 / 分子動力学計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,実施計画の通り【A)分子動力学計算結果を用いたDPD支配方程式の再検討および修正】を目的として研究を実施し,以下を達成した。A-1)DPD支配方程式の修正の実施について:従来より使用されているDPD粗視化方程式を精査したところ,一般に揺動力と呼ばれる項の取り扱いに対し矛盾点があるという結論に至った。そこで,分子動力学の運動方程式を基に,乱流LESの着想を取り入れた粗視化粒子に対する運動方程式を提案した。具体的には,従来の粗視化の定義は変更せず,この定義を基にして分子動力学の運動方程式から粗視化粒子の運動方程式を導出した。この際,乱流LESのフィルタ化操作の考え方を取り入れた。 次に,A-2)提案した運動方程式をa prioriテストするため,分子動力学計算を実施した。本計算は,プログラミング言語Juliaを用いた分子動力学計算パッケージに独自の修正を加えたもので実施した。 さらに,A-3)後処理計算により提案した方程式をa priori的に評価し,同方程式のモデル化について検討した。得られた計算結果より,提案した粗視化粒子の運動方程式は,分子動力学計算で既に使用されている温度制御のための熱浴でモデル化できると推察された。現在,この確認を継続している段階であり,そのごa posterioriテストを実施する予定である。 上述の取り組みに加え,計算結果の評価指標となるDPD支配方程式の誤差についても調査を行い,流体の粘性係数の算出に必要な系の応力の誤差は,時間刻み幅が小さい場合,時間刻み幅の1/2乗に比例数挙動を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」A-1)において,従来の支配方程式の矛盾点を見つけ,乱流LESの着想を取り入れた粗視化粒子に対する運動方程式を提案したことで,A-2)およびA-3)の作業が明確化され,この考え方に基づいて分子動力学計算結果の評価を現在行えていることが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り,フィルタ化操作による粗視化方程式を新たに導出したため,本方程式の評価,およびこれに基づく粗視化粒子系の数値計算を実施する。よって,今年度の目標を以下の通り修正する。
【B)乱流LESの着想に基づく運動方程式のモデリングおよび粗視化系の計算】B-1)前年度の支配方程式の評価に基づき ,同方程式のモデリングを実施する。同モデリングに対しても,乱流LESの考え方を用いる。本研究では特に恣意的な調整が必要なモデル係数を排除したモデルの適用を試みる。(山田・森西共同で実施) B-2)そして,モデル化された支配方程式による粗視化粒子計算を実施し,計算結果を分子系のMD計算結果と比較することで,モデル化された支配方程式の妥当性を評価する。(主に山田が実施) B-3)作業1,2を繰り返すことで,提案した支配方程式のより良いモデルを探索する。
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Causes of Carryover |
今年度は,理論解析,検証計算により重きが置かれ,当初の予定より小規模な数値計算を主に実施した。より大規模な計算を実施するための計算機を次年度の予算で購入する予定である。
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