2023 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism and prediction of drag modulation in wall-bounded turbulence by additives
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22K03917
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀本 康文 北海道大学, 工学研究院, 特任助教 (60822525)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高Reynolds数乱流 / Taylor-Couette乱流 / 摩擦抵抗変調 / 粘弾性流体 / 希薄界面活性剤水溶液 |
Outline of Annual Research Achievements |
大型の回転二重円筒間流れ(Taylor-Couette流)の実験装置により実現した高Reynolds数のせん断乱流に、きわめて微量の界面活性剤を添加したときの乱流変調現象について、粒子画像流速測定(PIV)により以下のことを明らかにした。実験は二つの円筒の同方向回転と逆方向回転を含む広範な回転条件にわたって、円筒表面上に乱流境界層が形成されるパラメタで実施した。(1)乱流強度はいずれの条件でも顕著に低下する。(2)対数速度分布の係数は水の場合と比較して変化する。 とくに(2)について、速度分布の係数の増減は、前年度に明らかにした回転条件による壁面摩擦抵抗の増減と相関があることが明らかになった。これは、界面活性剤の添加による高いReynolds数のTaylor-Couette乱流での摩擦抵抗の変化では、乱流境界層における角運動量輸送メカニズムの変調が重要なファクターであり、その結果として前年度報告したバルク領域での平均流の剛体回転領域が形成・維持されることを示唆する。 また、別のアプローチとして、本年度よりNewton流体の高Reynolds数Taylor-Couette流の乱流モデル開発を共同研究として進めている。現時点では、流れ場の曲率の曲率の効果がモデリングにおいて本質的に重要であることを示す結果を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度までの実験により、界面活性剤添加による高Reynolds数Taylor-Couette乱流における角運動量輸送と壁面摩擦抵抗の変調の物理機構が明らかになった。これにより、研究開始当初の定量的予測を達成するための現象の理解が進みつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、円筒間の角運動量輸送メカニズムの変調をより詳細にするために、角運動量輸送のバジェットの解析を進める。また、Newton流体の乱流モデリングで得られた知見を活かして、界面活性剤添加による乱流変調現象のモデル構築にも着手する。
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Causes of Carryover |
今年度使用額の残金が少額であったため、本研究で必要な物品の購入のために次年度使用額とする。
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