2022 Fiscal Year Research-status Report
平面伸張流動を用いた界面活性剤水溶液の流動誘起構造の生成とレオロジー特性評価
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22K03935
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Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
加藤 学 津山工業高等専門学校, 総合理工学科, 教授 (20370017)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 動的スクイーズ流動 / 平面伸張流動 / 界面活性剤水溶液 / 流動誘起構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,紐状ミセル界面活性剤水溶液の流動誘起構造の伸張流動特性を評価する.そのために,流動誘起構造発生を目的とした伸張流動と,発生させた流動誘起構造を測定する目的の伸張流動を同時あるいは順番に入力する,まったく新しい測定手法の提案を行う.本手法を用いて光学的異方性(流動複屈折)を直接測定し,伸張流動で得られる誘起構造のレオロジー特性を光学的手法から評価する. <令和4年度の到達目標>:①動的平面伸張流動下での光学的異方性の応答と新型装置開発 <大振幅動的平面伸張流動>実験装置が完成しており,初期ギャップ,スクイーズ振幅,スクイーズ周波数から試料に加える伸張ひずみと伸張速度は調整可能である.観察は,観察方向側から、円偏光板、スクイズフローセル、円偏光板、光源の順に配置され,120fpsで撮影可能なビデオカメラを使用し、スクイーズ流動開始から緩和までの流動複屈折の可視化実験が可能である。この装置を用いて,CTAB/NaSal系界面活性剤水溶液について測定を行った.動的伸張速度が大きい条件では,流路中央のよどみ点周辺において初回の逆スクイーズにおいて強い複屈折が観測された.この複屈折の変動とスクイーズ運動との位相差は,その後のスクイーズ運動によって徐々に変化する様子が観測された. <小振幅動的平面伸張流動>圧電アクチュエーターを二つ利用したシステムが完成している.現在は,ダイアルゲージとレーザー変位形の両方を用いて,動作確認までを実施している.大振幅との統合は行っていないが,高周波小振幅での測定が可能となっている.他方で,ビデオカメラによる測定では,サンプリング周波数が足りないことから,光学測定用の装置を用いて測定を行う準備を開始している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通り進んでいる.大振幅動的平面伸張流動では,すでに流動誘起構造と思われる結果が得られており,すでにこの結果については国際会議において報告を行った.複合正弦波ひずみ下での測定も前期中には開始できる見込みであり,今年中には結果が得られると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
レーザーを用いたよどみ点での流動複屈折の評価の実施:大振幅平面伸張流動において,流動複屈折とひずみ波との位相差の変化について調査を実施する.スクイーズ回数が増える事による位相差の変化が逆スクイーズと正スクイーズでは異なることが確認されており,両者の違いを明らかにする.位相差の変化の様子がひずみ速度に依存するのかを調査することで,この変化が構造変化によるものなのかを確認することができる.この変化がよどみ点に生じた構造によるものであることが確認できれば大きな進歩になるといえる. 複合正弦波ひずみの装置の製作:10月の測定開始を目指して引き続き進める.ハード部分の準備はほぼ終わっているので,発注品の到着や変動する波の測定を行うための測定プログラムの準備を進める.準備が整えば,大振幅平面伸張流動において構造変化が発生したと思われる条件下で測定を開始する.
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Causes of Carryover |
予定していた国際会議が令和4年度開催から,令和5年度開催に延期になったために出張旅費として考えていた予算を翌年度(令和5年度)に繰り越すことにしたため.
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