2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the impact of aerosol aggregation process on hypergolic ignition of hydrazine derivatives / dinitrogen tetroxide
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22K03954
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
菅野 望 名城大学, 理工学部, 准教授 (40529046)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 推進薬 / 詳細反応モデル / エアロゾル凝集モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙機の姿勢制御用スラスター推進剤であるヒドラジン/四酸化二窒素 (N2H4/N2O4) の自己着火メカニズムにおける未解明発熱源と考えられるヒドラジン-亜硝酸 (N2H4-HONO) エアロゾル凝集過程の初期段階において重要となる N2H4-HONO 錯体の熱力学物性について,量子化学計算と統計力学計算による理論予測を行った. 本年度は N2H4, HONO の数をそれぞれ n, m ((N2H4)n-(HONO)m) として (n, m) = (1, 1), (1, 2), (2, 1), (2, 2), (2, 3), (3, 2), (3, 3), (4, 3) までの探索を行った.HONO のOH 基の酸素原子が同時に水素結合のドナー,アクセプターとなるような構造では,HONO の水素原子が N2H4 側に移動し,(N2H5+)-(NO2-) 型のイオン錯体となることが明らかとなった. 探索した各錯体について標準生成エンタルピー,標準エントロピーを計算した.得られた結果について,クラスターを構成する分子数 (n, m) について整理し,(N2H4)n-(HONO)m 錯体の標準生成エンタルピー,標準エントロピーを外挿する推定式を提案した. 温度 298.15 K, 全圧 1 bar, N2H4, HONO 初期分圧をそれぞれ 0.01 bar とした際のクラスター生成に関する反応ギブズエネルギーを計算したところ,n + m = 6 付近で最大値をとり,臨界クラスターサイズが (N2H4)3-(HONO)3 程度であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初の研究執行計画通り,N2H4-HONO クラスター物性の量子化学,統計力学計算を行い,反応ギブズエネルギーが最大となる臨界クラスターサイズを推定することが達成された.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度探索した N2H4-HONO 錯体のクラスターサイズ (n + m = 7 以下) は,推定された臨界クラスターサイズ n + m = 6 を僅かに超えたサイズであるため,確認のため n + m = 8 程度までの探索を継続する. その後,申請当初の研究執行計画に従い,N2H4-HONO エアロゾル凝集反応モデルの構築と,モノメチルヒドラジン-亜硝酸 (MMH-HONO) 錯体の熱力学物性,MMH-HONO 錯体の臨界クラスターサイズの推定を行う.
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Causes of Carryover |
(理由) 参加予定であった国際会議が COVID-19 により中止になったこと,購入した計算機サーバー(特注品)の構成機器の価格変動による. (使用計画) 次年度購入予定の計算機サーバーのスペック見直し(メモリーの増強等)や記録メディアの拡充に用いる.
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