2022 Fiscal Year Research-status Report
Expansion of the drive environment by adding rotational degrees of freedom to a snake-like robot
Project/Area Number |
22K03983
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
山野 彰夫 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (90844184)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | バイオミメティクス / 索状推進体 / ロボティクス / システム同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,(A)流体の粘度ごとに最適ならせん運動を探索するとともにらせん運動とうねり運動の適用範囲を明らかにし,(B) 流体の粘度に応じて両者を切り替える機構を構築して実験により提案手法の有効性を示すことである. 2022年度は,研究目的(A)の(I)流体の条件(水~泥水)に対応した適切ならせん形状を探索,および(II)らせん構造の回転数などの駆動条件の探索において必要となるらせん形状が生成する推力に関する数値解析モデルの構築にあたった.数値解析モデルの構築において,断面直径,曲率,および捩率のパラメータでらせん形状を表現し,微小長さに作用する相対速度・加速度の関数である流体力を中心軸上で積分することで,回転数と推力・負荷トルクの関係を導出した.先行研究で想定されている範囲外 (レイノルズ数 ~ 10^2, 10^6) の粘度で駆動させることを想定している.また,この領域では,付加質量の影響を考慮し抗力係数は実験により同定する必要がある.そこで,数値解析モデルを同定するためのらせん形状の実験モデルの製作も行った.流体には,安価で大量に入手可能で,10~1000cPまで粘度を設定できる潤滑油を選定し,実験モデルの設計にあたってレイノルズ数が探索範囲内になるような寸法・回転数の条件を設定した. 2023年度に,実験モデルを用いて推力とらせん形状の回転数の関係を測定し,数値解析モデルにおける未知の係数である付加質量係数および抗力係数を同定する予定である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の目標であった,回転数と推力・負荷トルクの関係に関する数値解析モデルの構築および実験モデルの構築はおよそ達成できた.また,流体力の同定手法においては,うねり駆動で推進体に作用する流体力の同定手法に関する研究成果を査読付き国際会議で発表しており,同様の細長体であるらせん形状に関しても適用できると考えられる.一方で,計測環境の準備の都合上,らせん形状に作用する流体力に関する未知パラメータの同定実験は, 2023年度に行うことになった.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度の[Step2]粘度に応じた最適な駆動方法の探索において必要となるらせん形状に作用する流体力に関する未知パラメータの同定の実験を至急実施する.高粘性流体については,すでに200, 3000, 5000 cP @ 15℃の潤滑油をそれぞれ400L準備している.モータのエンコーダによる回転数の計測値およびロードセルで測定された推力の計測値から抗力係数を同定する予定である.その後,同定後の数値解析モデルを用いて,消費電力および推力を評価関数として,各流体の粘度に応じた最適ならせん形状を数値的に求める.また,らせん運動とうねり運動の適用範囲を明らかにする. 2024年度は,【B】 実験による提案手法の有効性の評価として,[Step2]で得られた各粘度の流体で最適ならせん運動を実現する運動パラメータを推進体の実験モデルに実装し,水中(1cP)および潤滑油中(10~1000cP)で消費電力および推進速度を評価する予定である.うねり運動およびらせん運動を固定した場合と比較することで,粘度に応じて運動を切り替える提案手法で推進効率が向上するか評価する.
|
Causes of Carryover |
当初の想定より旅費が余ったため、次年度には流体力同定の実験のための物品費に使用する.
|