2022 Fiscal Year Research-status Report
任意面形状を有する非接触シールの静及び動特性の解析手法の開発
Project/Area Number |
22K03990
|
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
田浦 裕生 近畿大学, 理工学部, 准教授 (20334691)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 回転体の振動 / 非接触シール / 動特性 / 回転機械 / 表面テクスチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,シール面により複雑なテクスチャが付与された非接触シールを比較的短時間で適当な精度で解析する手法の確立し,設計ツールとして使用可能なものにすることを最終目標としている.これを実現するため,シール面には複雑形状のディンプルが配置されているものとし,テクスチャの一部分に着目し,この部分だけを切り出して,さまざまな状況下における流量特性を,数値流体力学(CFD)や実験などを使用して,あらかじめ解析する.こうして得られた流量特性に基づき,シール面を平滑面とし,テクスチャ形状にこだわらずに非接触シール全体の静および動特性を容易に解析するものである.この目標を実施するため,具体的には,①テクスチャを有する狭い流路のすきま流れの流量特性の数値解析,②①の実験的な検証,③非接触シールの漏れ流量および動特性の解析手法の構築,④非接触シールの漏れ流量および動特性の実験的検証を行うものである. 本年度は,①について,フリーのCFDソフトウェアであるOpenFOAMを用いて,微小ディンプルの流量特性の計算手法の確立を行った.ディンプル形状は四角穴とし,深さを変化させて系統的な解析を行った.②については,計算結果を検証するための実験装置の試作および組み立てを行った.性能確認のため,基本形状での予備準備を行った.③については,①で作成される予定のデータベースに基づいて,非接触シール全体の漏れ流量および動特性(具体的には液膜のばね係数,減衰係数,付加質量係数)を計算するプログラムを作成した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施予定の4項目について,①について概ね予定通り達成できた.②については今後実施できる状態にした.③については計算プログラムが完成し,データベースの作成を待つ状態となった.
|
Strategy for Future Research Activity |
実施予定の4項目について,①についてはさまざまな形状に変化させて計算を行い,最終的にデータベースの形にまとめる.この際,AIの導入により,簡易的な計算で,幅広い範囲のデータが得られるかどうかをの検討を行う. ②については,基本形状の試料を作成して,計算との比較実験を行い,①の計算の精度等を確認する.④については,基本的な形状の非接触シールを用いて,予備実験を実施する.
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは,テクスチャ形状のCFD計算手法の確立が予定よりも少し遅れたことから,それに伴い実験で検証する試料面の形状決定・加工依頼を次年度以降に持ち越したためである.次年度は速やかに加工を依頼し,実験を行う予定である.
|