2023 Fiscal Year Research-status Report
A preview-type structural control based on the earthquake waveform estimation with a seismic observation network: Performance enhancement of the waveform estimation system
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22K03995
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
平元 和彦 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00261652)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 振動制御 / 予見型制御 / リアルタイム地震観測網 / 適応フィルタ |
Outline of Annual Research Achievements |
強震モニタのようなリアルタイム地震観測網からの波形伝送を前提とし,伝送された波形データを用いて到達する地震外乱の未来値を推定することによって制御性能の向上を図る予見型の構造振動制御系設計について研究を行った. 今年度は,昨年度に引き続き,未知の地震波に対しても予見型制御系が高い振動抑制性能を発揮することを目標として,遠隔地観測データを元にした構造系に到達する地震未来波形の推定に,逐次的に係数が更新される適応フィルタの使用を検討した.適応フィルタとしてはLMS(Least Mean Square)型のものを採用した. 中越地震のデータを用いて,設計パラメータであるLMSフィルタの次数やステップ幅を設計パラメータとしてPSO(粒子群最適化)アルゴリズムによって最適化した結果,一般的な最適レギュレータによるフィードバック制御を上回る制御性能を得ることができた. 加えて,波形伝送を行う観測点を複数にして,制御系のモデルを用いた短時間応答予測を元に制御則を切り替えるスイッチング制御手法を提案した.さらに,スイッチング制御手法を前提として,記録地震波に対して最適化された適応フィルタによる未来波形推定に基づく予見型制御を震源や規模が類似した異なる地震波に対して適用したところ,最適化に用いた地震波と同様に,フィードバック制御則を上回る性能が得られたことから,本手法の未知の地震波に対する制御性能のロバスト性を示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
適応フィルタを多数の観測点に対し設計してそれらの制御則を適宜切り替えるスイッチング制御の有効性が示され,また,類似した地震間で制御性能が維持されることも確認できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた成果をさらに多数の観測点に拡張した研究や,類似地震波を用いて最適化した場合に対する結果を国内会議,国際会議で発表するとともに,研究論文として投稿する. また,遠隔地の観測地震波データを信号処理して直接制御入力を生成することによって制御性能の改善が可能かどうかについても研究に着手して検討し,リアルタイム地震観測網の構造系振動制御に関する研究の今後の発展可能性発展についても合わせて検討する.
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Causes of Carryover |
講演会での発表会数が当初予定を下回ったため.来年度は,国内会議や国際会議での発表を増やし,さらに,論文投稿も行う.
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