2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of high intensity and high frequency ultrasonic transducers with 3 dimensional shapes piezoelectric films for application devices.
Project/Area Number |
22K04002
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
石河 睦生 桐蔭横浜大学, 医用工学部, 講師 (90451864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 麻梨江 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60721884)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 非線形音響 / 高周波 / 超音波 / 圧電膜 / 非鉛 |
Outline of Annual Research Achievements |
非線形音響現象が引き起こせるほどの強力超音波を送信できる10MHz~30MHz帯の超音波トランスデューサをニオブ酸カリウム単結晶の自立膜を利用して試作した。基板には凹面加工されたチタン酸ストロンチウムを用いることにより3D形状のトランスデューサとした。実際に水中にて高出力動作させた際に観察される音響非線形現象について観察と制御を行った。高周波で発生するキャビテーションのシミュレーション結果と、実験により間接的にキャビテーションの発生を確認した。キャビテーション発生は超音波照射後のヨウ化カリウム水溶液と分光器を用いたKI法、超音波照射中のソノルミネッセンスの観察である。計算結果と実験による音響非線形現象の観察結果から、10MHz~30MHz帯で発生しているキャビテーションのサイズは直径1ミクロン以下であり、音圧は4MPa,局所的には5000度程度の局所的な熱が発生していることが分かった。 また、高出力動作時において、トランスデューサから発生する音響流が観察された。測定はトレーサーとレーザー光及び動画を用いて測定し流速と音響流の作用が及ぼされる範囲を求めたところ、音響放射圧は最大で250kPa程度発生していることが分かり、直線的な強い圧力が交流的な音圧の他に発生していることが分かった。 現在は、音圧の実測を行うために、比較校正法と相互校正法を用い、試作した超音波トランスデューサから放射される音圧および音圧分布の測定に関する実験の準備を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究においては水熱合成法圧電結晶膜を用いて製膜した3D形状のニオブ酸カリウム単結晶膜を用いた高周波強力超音波デバイスを試作し、その音響放射圧や高出力化による非線形音響現象の確認を行った。3D形状の加工にレーザーマーカを用いて、リング状圧電結晶膜に加工し、中空の超音波トランスデューサを試作も行っている。当初の予定より形状に関して設計の自由度が上がったことから、様々な応用に向けて実証実験を実施している。また、学術的に重要となる材料特性についての測定も行い、共振周波数および大振幅駆動における限界、脱分極の現象等についての諸条件をまとめている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
音圧の測定は比較校正法と相互校正法を用い、試作した超音波トランスデューサから放射される音圧および音圧分布の測定を引き続き行う。また、各種3D形状のトランスデューサから発生する音響流の測定や音圧の測定、音場の測定を行い、設計値との比較により特性を明らかにする。音響流の発生時の音響放射圧は電動XYZθステージと電子天秤を用いて行う。また、局所的に音響流が発生していることも分かっているため、内視鏡型のマイクロスコープを用いて音響流を放射面近傍で観察を行う。またこの段階でマイクロスコープと高指向性音響流を併用した応用例へ向けた基礎検討を行う。 そしてキャビテーション発生の更なる測定では、各種トランスデューサを用いて高周波において高音圧の超音波の連続的照射によって発生したキャビテーションと圧壊の確認を音響化学反応を利用した測定により行う。これによりパルス駆動や連続波での駆動時の非線形音響現象の発現について影響を明らかにする。 応用例として、超高周波超音波洗浄やパターニング技術、音響化学反応による物質生成技術への応用を検討する。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも3D形状圧電膜の自由度があがり、想定される応用例に関して確認事項が増えたため、新しい実験を追加した。
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Research Products
(1 results)