2023 Fiscal Year Research-status Report
関節可動限界受動機構の導入による四脚ロボットの運動性能の高度化
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22K04009
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
明 愛国 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (50239456)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脚ロボット / 生物模倣 / 筋骨格構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究全体は、ネコ科動物の全身の重要な筋骨格構造と運動制御方法を参考にして、ネコのように高効率でダイナミックな運動を実現可能な高運動性能小型四脚ロボットの開発を目的とする。特に、ネコの筋骨格構造から着想した受動要素を持つ関節可動限界機構を各関節に搭載し、能動的な筋活動の協調に基づく運動制御を同時に導入して、それらの特性を積極的に活用して相乗効果を実現することで、生物模倣型高性能ロボットの新しい開発方法を確立する。その結果、四脚ロボットの運動性能の高度化の実現を目指す. 本年度において、関節可動限界受動機構を腰関節に搭載した四脚ロボットについてのシミュレーション、関節可動限界受動機構を四脚ロボットへの搭載を中心に進めてきた。ネコの運動技能に本質的に貢献する関節可動限界受動機構の構造と特性を参考に,目標の弾性特性を実現できる脚関節の関節可動限界受動機構を持つ四脚ロボットを設計し、その試作を行った。試作した四脚ロボットの基本動作実験を行い、関節可動限界受動機構の有効性を検証した。関節可動限界受動機構を腰関節に導入したロボットの動力学モデルを用いた動特性解析と走行運動生成を行い,走行速度、安定性、エネルギー効率に受動機構の貢献度を評価し、その有効性を確認できた。また、制御方法について、関節可動限界受動機構を導入した脚モデルについて強化学習制御やCPGを用いて、環境適応可能な制御方法について検討し、より安定なダイナミック動作の実現の可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
四脚ロボットの実機設計と試作、実験によって脚の受動関節機構の有効性を確認した。腰関節の受動関節機構を持つ四脚ロボットのシミュレーションによって受動関節機構の有効性を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、ネコの運動制御方法を参考にした協調運動計画を行い,実機実験による検証と改善を行う.生体工学の知見から得る運動制御を融合し,生物のように関節の能動駆動と関節可動限界受動機構を協調させ,関節間の運動の干渉を効果的に利用した高速走行・高い跳躍及びソフトランディングのための全身運動生成を行う.
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Causes of Carryover |
一部の物品は現有の物品を活用できたため、物品費について次年度使用額が生じた。 物品未使用額は、翌年度分として請求した助成金と合わせて次年度において、実験用ロボットの改善や性能評価機器に用いる。また、前々年度の旅費未使用額は、次年度の国際学会や雑誌論文での成果発表に活用する。
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