2022 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of accuracy of spray-applied tactile sensors by equivalent model estimation
Project/Area Number |
22K04023
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高橋 隆行 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (70197151)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 接触センサ / 塗布 / 圧電膜 / 電気インピーダンストモグラフィ / 等価回路モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,これまでの研究結果を基礎として,EIDORS(電気インピーダンス法の実装ソフトウェア)により得られた分布定数モデルから接触位置推定に用いるLTspice(回路シミュレータ)用のCRネットワーク型の集中定数等価回路への変換の際に導入していた近似が,シミュレーションの精度に与える影響について再検証するところから研究を開始した。これまで用いてきた集中定数等価回路は,抵抗10,200個,コンデンサ5,100個からなる回路であり,分布定数モデルから集中定数モデルへの変換を事情により手動で行わざるを得なかったため,全体を49のブロックに分割してブロックごとに抵抗およびコンデンサの値を決める方式を採用していた。本年度は,この変換を自動で行うソフトウェアツールを作成し,25個,100個,400個に分割したブロックを用いてシミュレーション精度の比較を行った。まず,コンデンサ成分を無視し,抵抗成分だけを考慮した静的(直流)モデルによる精度比較を行ったところ,先行研究の49分割に対して,400分割の方が4倍ほど高い精度のシミュレーションが行えることがわかった。一方で,接触位置を決めるために重要となるコンデンサを含めた動的な時間応答シミュレーションでは,従来モデルとの差がほとんど見られなかった。以上の結果は,分布定数から集中定数への変換の際に,ブロックの分割よりも精度に大きな影響をもつ要素があることを示唆していると考えている。また,現時点では,分布定数回路および集中定数回路のいずれも実機との間での精度検証ができておらず,今後の検討点としては,まず集中定数回路のモデルを実際に製作して,実機との間での比較を行う計画としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の到達目標点は,実際に製造されたセンサの,等価回路における容量値ならびに抵抗値を推定する方法を確立することである。この目的に沿って,等価回路モデルの,モデルとして近似精度に関する一定の知見を得ている。一方で,分布定数モデルから集中定数モデルへのパラメータ変換を自動的に行うソフトウェアツールの開発に若干時間を要してしまい,実機との間での精度検証ができていない,成果発表が次年度に先送りになるなど早急に対応すべき課題もあるため,このような評価となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って,着実に研究を進める。
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Causes of Carryover |
当初計画していた成果発表が先送りになったこと,試作するセンサの費用が共同研究先の企業負担により行えたことから,次年度使用額が発生した。次年度以降,これらの費用は成果発表ならびに試作に使用する予定である。
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