2022 Fiscal Year Research-status Report
作業姿勢・腰部負荷の定量評価法の開発と腰補助用パワーアシスト装置制御への応用
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22K04031
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
小嵜 貴弘 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (20285422)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | パワーアシスト |
Outline of Annual Research Achievements |
体に着用するパワーアシスト装置は,搭載されたアクチュエータの駆動力によって着用者の関節の動作を補助し,体にかかる負担を軽減するための装置である.一般に,重量物の持ち上げ作業や運搬作業においては,腰痛などの筋骨格系の不調が,身体各部に加わる負荷だけでなく,身体各部の姿勢にも依存することに着目し,本研究では,身体各部の負荷と姿勢の両観点から身体負担を定量的に評価し,その評価をパワーアシスト装置の制御システムで利用することにより身体負担の低減化を図ることを目指している.本年度に実施した研究の概要を以下に記載する. 1.作業現場の構築や改善を行うため,人間工学的な視点で開発された既存の身体負担評価法は,作業者の身体各部の姿勢を観察し,分類表に基づいて筋骨格系の負担を定量的に評価するものである.本研究では,人体の動作をカメラで撮影した動画から,画像処理技術により人体の各特徴点の座標データを取得し,それらをもとに人体の各関節の角度の算出を行い,身体負担評価法を援用して評価値を自動的に計算できるシステムの構築を行った. 2.被験者が種々の動作を行ったときの動画データを収集し,上記システムで得られる人体の関節角度と,剛体リンクで表現した人体モデル式を用いて関節トルクを計算し,身体負担の評価値と関節トルクなどの関係について,複数のアプローチを用いてモデル化を行い,検証を行った.今後,引き続きモデルの精度向上を検討する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により,修正・改善の余地はあるものの,基礎的な成果を得ることができた.その成果を踏まえ,更にモデルの改良を重ねていき,それと並行してパワーアシスト装置の制御システムの開発を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
研究の次の段階では,本年度に構築された,身体負担の評価に関するモデルを,パワーアシスト装置の制御システムの中に組み込むことを目指し,その制御システムの性能について実験を通して検証を行う予定である.
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Causes of Carryover |
本年度の実験は,現有の機材を一部流用して実施することができた.主にパワーアシスト装置の試作・検証を行うために予算を使用する予定である.
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