2023 Fiscal Year Research-status Report
Modeling of Control Characteristics of Human Operator and Design of Assistance System under Sudden Change in Dynamic Characteristics of Controlled System
Project/Area Number |
22K04033
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安藝 雅彦 日本大学, 理工学部, 准教授 (60560480)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 伸一郎 日本大学, 理工学部, 特任教授 (30181522)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 予防安全 / タイヤバースト / 運転支援システム / 車線維持支援システム / 人間-機械系 / ドライバモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はCarSimを用いタイヤバースト発生時の車両モデルを構築し,その実験環境を用い,定置式DSを用いた実験を実施した.さらに研究室保有の定置式ドライビングシミュレータを用い,車速一定の条件で運転支援システムの評価を行ってきた. より現実的なタイヤバースト発生時のドライバ運転行動を計測し,運転支援システムを構築するため,2023年度は研究室保有の定置式ドライビングシミュレータにモーションプラットフォームを組み込み,可動式ドライビングシミュレータを構築した.更にタイヤバースト直後からタイヤと路面の転がり抵抗による車速低下を考慮して車両を旋回しやすいよう設定し,可動式ドライビングシミュレータによる実験を実施した.右前輪,左前輪,右後輪,左後輪の各輪バースト時のドライバ応答を評価するため,19名の実験参加者を対象にタイヤバースト発生時に車線維持支援システム(LKAS)による制御の有無によって車両軌跡,ハンドル角などの客観的評価およびアンケートによる主観的評価を実施した.この結果を基にLQ制御理論に基づく状態フィードバックにより支援トルクを算出し,ドライバの操舵トルクと支援トルクの協調性を考慮したLKASのゲインを算出した.このフィードバックゲインを用い,可動式ドライビングシミュレータを用いた評価実験を実施した.この実験では4名の実験参加者を対象にタイヤバースト発生時にLKASによる制御の有無によって車両軌跡,ハンドル角などの客観的評価またアンケートによる主観的評価を実施した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題Ⅰ(制御対象の動特性突変時のドライバモデル構築)に関して,2022年度はCarSimを用いタイヤバースト発生時の車両モデルを構築し,その実験環境を用い,定置式DSを用いた実験を実施した.それを基に2023年度は定置式DSにモーションプラットフォームを組み込み,可動式DSを構築し,さらにタイヤバースト直後からタイヤと路面の転がり抵抗による車速低下を考慮して車両を旋回しやすいよう設定し,実際のドライバ運転行動に近づけられるよう実験環境を改良した.その実験環境を用い,可動式DSを用いた実験を実施した.可動式DSを使用したことでドライバの操舵行動の反応が速まるなどの結果が得られた.この結果を基に2024年度にドライバモデル構築を続ける予定である. 課題Ⅱ(バースト車両のLKAS設計指針の提案)に関して,2022年度はLQ制御理論に基づく状態フィードバックにより支援トルクを算出し,ドライバの操舵トルクと支援トルクの協調性を考慮したLKASを提案した.それを基に2023年度は前年度に提案したLKASにタイヤと路面の転がり抵抗による車速低下を考慮して制御ゲインを車速の関数とし,かつ可動式DSによるドライバ運転行動を基に制御ゲインを再調整した. 課題Ⅲ(DSによるバースト車両のLKAS評価)に関して, 2022年度は操舵トルク方式LKASの制御システムを定置式DSに実装し,DS実験により提案システムの有効性を検討した.それを基に2023年度はこれを可動式DSに実装し,DS実験により評価した.その結果,可動式DSになったことでドライバの操舵行動が前年度の結果よりも速いことがわかり,適切な支援トルクを検討する必要があることがわかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
課題Ⅰ(制御対象の動特性突変時のドライバモデル構築)に関して,タイヤバースト発生時のドライバ運転特性は定性的な特徴の把握にとどまっている.これは定置式DSから可動式DSに変更して実験環境を構築し直したことが原因であった.可動式DS実験結果を基に個々のドライバモデルを用い,ハイブリッドシステムによるドライバモデルの検討を行っていく. 課題Ⅱ(バースト車両のLKAS設計指針の提案)に関して,定置式DSから可動式DSに変更したことで支援トルクの適正値が変化した.そこで,可動式DS実験による知見を基に支援トルク量を再度検討していく. 課題Ⅲ(DSによるバースト車両のLKAS評価)に関して,2023年度まではドライビングシミュレータ上で他車両が無い走行環境で実験を実施したが,より現実的な高速道路環境を用いてLKAS評価を行っていく.
|
Causes of Carryover |
当初の計画では国際会議(International Symposium on Dynamics of Vehicles on Roads and Tracks, オタワ)に参加して情報収集する予定だったが,予定が合わず参加を見送った.交通費分が次年度使用額として生じた.この次年度使用額はドライビングシミュレータ実験を実施するときの倫理審査料に充てる.
|