2022 Fiscal Year Research-status Report
電力系統の環境変化および不確定性に対応する停電作業系統計画に関する研究
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22K04045
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
造賀 芳文 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (40294532)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 停電作業計画 / 不確定性 / 再生可能エネルギー / 電力自由化 |
Outline of Annual Research Achievements |
電力系統の通電停止をともなう作業を行うための「停電作業系統」計画について,再生可能エネルギー電源の大量導入および電力市場という2つの不確定性に対応する技術を開発することを目的として研究を行っている。まず,今までの前提条件を見直し,具体的に定式化を試みることにより問題を同定すること,その上で効率的な解法アルゴリズムを開発し,具体的な停電作業計画を策定することを目指している。再生可能エネルギー電源などの出力が変動することや制御可能な電源が不確実であることを踏まえた上で,事前にどのような状況をベースに停電作業系統を策定すべきか,また具体的にどのような方法で実施すべきかを模索する。具体的な研究項目は,(i) 検討断面の検討,(ii) 問題の同定および定式化,(iii) シミュレーション実施・考察,(iv) 計画の修正方法の検討としている。 本年度は,(i)検討断面の検討および(ii)問題の同定および定式化について,一部検討を実施した。まず,想定すべき過酷断面について,これまで検討してきた電力潮流だけではなく電圧面での過酷条件も検討し,定式化の再検討を実施した。これまでの直流法潮流計算では電圧面の条件を考慮できず,新たに交流法潮流計算を織り込んだ定式化とした。また,その新しい定式化に対する解法アルゴリズムを実装し,例題系統に対して適用することで考察を行った。さらに,並行的な研究として,不確実性を織り込んだ交流法潮流計算を実現する手法である区間解析の概念を応用した区間潮流計算法を開発した。例題系統に適用することで,幅のあるデータに対しても一括して計算結果が得られることを確認した。加えて,電圧面での考慮に関連し,単に電圧上下限だけではなく電圧安定性の面での検討に資するため,ノーズカーブ(PVカーブ)の描画法についても検討し,具体的な実装についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では,3年で4つの研究項目,(i)検討断面の検討,(ii)問題の同定および定式化,(iii)シミュレーション実施・考察,(iv)計画の修正方法を実施することとしている。 本年度は,(i)と(ii)の一部および,それらに関連する(iii)シミュレーション実施・考察について研究,検討し,その成果を学会発表という形で公表した。また,並行して関連する区間潮流計算法の開発や電圧安定性面での検討も行った。よって,概ね順調に進展していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は,引き続き(i) 検討断面の検討および(ii)問題の同定および定式化を多面的に実施し,かつその問題に対応する(iii) シミュレーションの実施・考察を行う予定である。また,可能であれば3年目に予定している(iv) 計画の修正方法についても検討したいと考える。
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Causes of Carryover |
当初の予定では,定式化の検討,系統のモデル化,解法アルゴリズムの実装および実際の計算用にPCワークステーションを導入予定であったが,最初の検討ではそこまで計算能力が必要なかったため,すでに導入済みのであったPCを流用して実施した。これは,半導体不足の影響もあり,ふさわしい所望のPCワークステーションの入手が困難であったことに依る。また,旅費についても,一部の学会がオンラインでの参加となったため,当初の予定より少なくなっている。 今後は,具体的な計算を実施する計画であるため,PCワークステーションを導入し,また,学会・国際会議などでの意見交換の機会を最大限活用して研究を進めていく予定である。
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