2022 Fiscal Year Research-status Report
Noise Analysis and Control of Reactor Using Combined Magnetic-Vibration-Sound Analysis
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22K04048
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村松 和弘 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30263627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高 炎輝 大分大学, 理工学部, 准教授 (40586286)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 電磁力 / 磁歪 / 磁界・振動解析 / リアクトル / 積層鉄心 / 均質化手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,「電磁力と磁歪を考慮した磁界・振動・音場併用解析法」を用いたリアクトルの騒音解析により,騒音発生のメカニズムを明らかにするとともに,最適な防音対策を提案し,実証実験によりその有用性を示す.本年度は,リアクトルの鉄心表面の振動の実測値を磁界・振動併用解析で再現することを試みた.得られた成果を要約して以下に示す. (1)積層鉄心の電磁力と磁歪を考慮した磁界・振動解析法の開発 積層鉄心の電磁力と磁歪を考慮した磁界・振動解析法の妥当性を鉄心とギャップのみで構成される簡易モデルを用いて検討した.積層鉄心を塊状鉄心でモデル化する均質化手法を本解析法に適用する場合,塊状鉄心に与えるヤング率とポアソン比を鋼板と絶縁層からなるセルモデルの構造解析で決定しても,得られた鉄心の振動の挙動は,積層構造を忠実に考慮したモデル(積層モデル)で得られた挙動と一致しなかった.そこで,逆に,振動の挙動が一致するように均質化モデルのヤング率とポアソン比を求めた.その結果,積層鉄心の均質化モデルが確立できた. (2)単相リアクトルを用いた解析方法の検証 上記で確立した積層鉄心の均質化手法を,単相リアクトルに適用し,50Hzで励磁した場合の鉄心表面各部の振動を解析した.その際,単相リアクトルの解析モデルは,フレーム,鉄心の押え板,及びボルトまで考慮した.得られた解析結果を実測結果と比較した結果,各部の位置の違いによる振動の大小関係は,傾向を含めてよく一致したが,振動の絶対値が異なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,当初,磁界・振動・音場解析法の検証を行う予定であったが,磁界・振動解析法の検証で,実測で得られたリアクトル鉄心の振動分布の傾向は再現できたが,絶対値が異なってしまい,音場解析法の検証まで進んでいない.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,(1)単相リアクトルの鉄心表面の振動の絶対値が解析値と実測値で異なる原因を明らかにするため,ボルトの締付力が振動の絶対値に及ぼす影響などの検討を行い,積層鉄心の磁界・振動併用解析法を確立する.(2)均質化手法で得られる振動が積層モデルと一致するように選んだヤング率とポアソン比の物理的意味を明らかにする.(3)音場解析法を開発する.(4)開発された磁界・振動・音場解析法を用いて騒音のメカニズムを明らかにするとともに,騒音に影響を与える諸因子の検討を行う. 2024年度は,低騒音型リアクトルを提案し,試作実験を行う.
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Causes of Carryover |
本年度,単相リアクトルを用いて,磁界・振動・音場解析法の検証を行う予定であったが,現在,磁界・振動解析法の検証中であり,磁界・振動・音場解析法の検証に必要な計算機と計測器を購入しなかったことと成果発表を行わなかったため,次年度使用額が生じた.この次年度使用額は,次年度に,磁界・振動解析法の検証が完了次第,物品を購入し,磁界・振動・音場解析法の検証を行い,成果発表を行うために使用する.また,次年度分として請求した助成金は,当初の予定通り,騒音に影響を及ぼす諸因子の検討とその成果発表に使用する予定である.
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Research Products
(1 results)