2022 Fiscal Year Research-status Report
Information Spectrum Approach to Information Conversion Problems
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22K04111
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野村 亮 早稲田大学, データ科学センター, 教授 (90329102)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 情報源符号化 / 情報理論的乱数生成問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,情報源符号化におけるいくつかの重要な問題設定を対象に,確率構造が未知の状況における高効率符号化に関する研究を行うものである.特に本研究ではこれらの問題において誤り確率を適切に設定すると確率構造が未知の状況が混合情報源を対象とする問題設定として表現できることに着目し特に混合情報源を対象とした解析に重点を置いている.2022年度は以下の結果を得た. - 従来情報源符号化との深い関わりが知られている,情報理論における乱数生成問題の一つであるIntrinsic Randomness問題において分析を行った. 特に情報理論的な乱数生成問題は確率分布の近似問題と言い換えることができるがこの尺度が問題となる.従来は代表的な尺度の一つである変動距離を用いた際にIntrinsic Randomness問題における最適なレートが情報源符号化問題における達成不可能なレートの最大値に対応することが知られていた. 一方,変動距離以外の尺度を用いた際のIntrinsic Randomness問題,それ自身は分析の対象となっていたが情報源符号化とどのような関連があるかはほとんど調査されていなかった.そこで本研究では尺度として一般的なf-ダイバージェンスを用いたIntrinsic Randomness問題の最適レートと情報源符号化との関連を調査した.結果として情報源符号化とIntrinsic Randomness問題の新たな関連を明らかにすることができた.本研究で考えたf-ダイバージェンスは変動距離やKL情報量を含むので従来の変動距離に対する結果の一般化と考えることも可能である. - さらに上記から代表的な量である正規化KL情報量を用いたIntrinsic Randomness問題と情報源符号化問題との関連も明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報源符号化の関連問題である乱数生成問題の一つIntrinsic Randomness問題について新たな結果を得ることができたことは大きな成果と考えている.この結果について情報理論におけるトップカンファレンスであるInternational Symposium on Information Theoryに採択されたことは着実な成果である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果を精緻化し,国際的な論文誌に投稿することおよび新たな問題設定に対してさらに分析を試みる.
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Causes of Carryover |
研究発表がオンラインになる等の影響で次年度使用額が生じた.次年度費用と併せて研究発表に関する費用としたい
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