2023 Fiscal Year Research-status Report
Information Spectrum Approach to Information Conversion Problems
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22K04111
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
野村 亮 早稲田大学, データ科学センター, 教授 (90329102)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 情報理論 / 自己乱数生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,情報源符号化におけるいくつかの重要な問題設定を対象に,確率構造が未知の状況における高効率符号化に関する研究を行うものである.特に本研究ではこれらの問題において誤り確率を適切に設定すると確率構造が未知の状況が混合情報源を対象とする問題設定として表現できることに着目し特に混合情報源を対象とした解析に重点を置いている.2023年度は以下の結果を得た. 従来情報源符号化との深い関わりが知られている情報理論的乱数生成問題の一つである自己乱数生成問題において分析を行った. 自己乱数生成問題は確率分布の近似問題の一つであるが,近年機械学習などの分野で注目を集めているRate-Distortion-Perception問題の部分問題となることが知られている.研究代表者はこれまでいくつかの確率分布近似問題を取り扱ってきたが,2023年は過去の経緯を活かしRate-Distortion-Perception問題への適用を考慮して自己乱数生成問題を解析した.特に確率分布の近似尺度として従来より一般的なfダイバージェンスを用いてこれにたいして解析を行い,理論的に最適なレートを導出することに成功した.この結果はRate-Distortion-Perception問題における最適なレートの下界となる.この結果は情報理論のトップカンファレンスの一つである2024 IEEE International Symposium on Information Theory にて報告した.また同最適レートを別の観点から解析した結果を情報理論とその応用シンポジウムやシャノン理論ワークショップにて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たに得られた自己乱数生成問題における最適なレートがRate-Distortion-Perception問題における最適レートの下限となることが分かり,それを導出できたことは大きな成果である. またこの結果に関して情報理論のトップカンファレンスであるISIT2024にて報告できたことも着実な成果と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
大きく三つの取り組みを考えている. 1. 最適自己乱数生成レートに関する従来より詳細な2次の最適レートおよび混合情報源を考えた場合の最適レートなどについて解析を進める予定である.また2023年度に得られた成果とまとめて論文誌への投稿を考えている. 2. 2022年度に得られた結果の論文誌への掲載を目指す.確率分布近似問題の一つであるResolvability問題,Intrinsic Randomness問題に関する結果についてまとめる予定である. 3. 情報理論的な仮説検定問題について混合情報源に対する解析を進める.
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