2022 Fiscal Year Research-status Report
低酸素症疾患胚特有の体動変動パターンの解明と異常成長診断システムの開発
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22K04146
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
森谷 健二 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 教授 (90342435)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ニワトリ胚 / 体動 / ニワトリ初期胚 / 低酸素環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
ニワトリ初期胚(72~140時間)における間歇性低酸素環境による体動への影響を調査した.令和4年度は18%O2低酸素-20分,21%O2(通常酸素)-40分の1時間を1サイクルとして計測時間中このサイクルを繰り返した.18%を選定した理由は先行研究において18%慢性低酸素環境において成長の影響がみられたためであり.20分にした理由は実際の低酸素環境はそれほど長時間持続しないと推測されるからである. 20例の実験個体のうち,期間中の体動を解析できたのは5個体であり,うち2個体は計測終了前に死亡していた.生存胚の体動成長パターンは通常環境における正常成長胚と同様に孵卵110時間周辺から急激に体動が増加した.また,低酸素環境における20分と通常酸素濃度環境の40分では体動量に差がみられる時間帯もあったが他の時間や3個体すべての時間を考慮した場合には低酸素環境時の体動量に大きな違いはないと考えられる.18%-20分の低酸素環境が体動を抑制する可能性は残されているものの,自発的,自然発生的な体動発生メカニズムを超えるほどの大きな影響ではないと判断された. 死亡例の2体においても短期的な低酸素環境の影響はなかったが死因がはっきりしていないものの,死亡していたことが累積的に低酸素環境の影響を受けていた可能性がある.また,死亡前に周期的な特徴的な体動が見られた.これは死亡すると言う事象そのもののシグナルか,低酸素症による疾患としてのシグナルかはまだ明確ではないが,何らかの成長異常のシグナルである可能性があり,今後の研究が待たれる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
R4年度の本校においては5月と11月にコロナ感染症の拡大防止対策として二度のリモート授業が実施されたため,その期間に予定していた実験が実施できなかった.また,基礎実験データの収集に注力したため,AIによる鶏胚自動認識システムの開発が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は予定通りの実験を行うつもりだが,鳥インフルエンザの影響で一番重要な有精卵の入手が困難になる可能性がある.この場合は昨年までのデータを利用して鶏胚の自動認識システムを前倒しで実施する.
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Causes of Carryover |
実験回数が計画よりも少なかったことと,胚の自動認識のAI化を遅らせたため,そのために必要なハイスペックPCを購入しなかった事による.使用計画としては上記の実施である.
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Research Products
(3 results)