2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K04148
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Research Institution | National Institute of Technology (KOSEN), Kure College |
Principal Investigator |
江口 正徳 呉工業高等専門学校, 電気情報工学分野, 准教授 (60613594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 麻美 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, 研究員(移行) (30517280)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 誘電泳動 / 生体分子 / インピーダンス計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,DNA分解酵素などの生体分子や細胞外小胞を極微量の血液で検査可能な新規の生体分子計測技術を電気工学的アプローチにより構築するとともに,それらの生体材料の電気的特性を解明することを目的とする.今年度の研究実績は以下のとおりである. (1) アビジン-ビオチン反応を用いて,ポリスチレンマイクロ粒子に生体分子(DNA)を固定化し,誘電泳動現象と斜面重力を組み合わることにより,DNA分解酵素によるマイクロ粒子の誘電特性の変化を検出した.マイクロ粒子に発生する誘電泳動力は,DNAの固定化によって増加し,DNA固定化の有無により斜面重力との平衡点は,20 μm程度変化することが確認できた. (2) 液中のエクソソームを抗原抗体反応により,効率的に特異的抽出を行うために誘電泳動を用いた抗原抗体促進法を開発した.誘電泳動とは,不均一電界下に存在する溶液中の粒子に力が生じる現象で,粒子を1箇所に収集することが可能である.生体細胞(HEK293)を用いた実証実験を行い,その有効性を明らかにした. (3) エクソソームの電気的特性を利用した検出法として,インピーダンス計測による検出法を提案した.具体的には,誘電泳動により,溶液中のエクソソームを誘電泳動により電極間に架橋し,その時のインピーダンスの変化を測定することで,エクソソームの検出を試みた.エクソソームが捕集されるほど,導電率のていることが確認できたが,エクソソームのサイズが小さく,エクソソーム架橋によるインピーダンス変化量は小さかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の研究計画通り進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,インピーダンス計測の際に溶液中の電極表面に形成される電気二重層を考慮したインピーダンス計測用電極の設計を行い,高感度なインピーダンス計測を実現する.また,生体分子固定化マイクロ粒子の誘電泳動特性測定のさらなる高感度可能な電極形状の設計を行う.
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Causes of Carryover |
今年度は,コロナ感染状況により,研究発表および研究打合せの旅費・学会参加費(その他)を使用しなかった.翌年度は,本研究の成果を学会等で発表するために旅費・参加費に使用する予定である.
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Research Products
(9 results)