2022 Fiscal Year Research-status Report
大規模ネットワークの理解・操作をデータから実現するマルチレート/マルチループ制御
Project/Area Number |
22K04158
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
佐藤 孝雄 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (00347527)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 夏樹 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (90824392)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | マルチレート / データ駆動 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
データから大規模ネットワーク全体を直接理解・制御するトップダウン型の手段となるデータ科学の基礎研究として,周期が異なる複数の制御ループが相互接続されたマルチレート/マルチループ系に対する研究を行った.このような複雑な系に対しては,個々の構成要素の理解に基づいて集合全体を理解して設計するモデルベース手法はその手間と費用がかかるばかりではなく,それらを統一的に扱うことは困難であった.そこで,本研究では,制御データから直接解析・設計が行えるデータ駆動型制御手法によるアプローチについて検討した.しかしながら,従来はマルチレート/マルチループ系に対する有用なデータ駆動設計法は提案されていなかったため,新たにその設計方法について検討を行っている.また,個別の対象の振る舞いだけでなくそれを取り囲む全体の振る舞いを捉えるためには,可能であれば構成する各要素を専門的に研究した上でそれらの結果を統合的に検討する必要がある.しかし,全ての要素を網羅した研究を少数の研究者のみで達成するのは現実的には困難となる.そこで,対象の振る舞いを抽象化し一般化することが可能な制御工学を利用することで分野の違いを意識することなく扱う方法についても検討した.この結果,多種多様な要素が互いに結びついたマルチレート/マルチループL系として表せる大規模ネットワーク全体をデータによって理解・制御することを工学的に解決することが可能になると考えられる.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来より提案されていたデータ駆動設計法を網羅的に検討した結果,設計する際に満たすべき制約が異なることが分かった.設計方法により異なるが,制御器の逆システムが必要な場合や,制御ループ毎にそれぞれ事前実験が必要な場合がある.逆システムを利用する場合,非最小位相系では利用することが出来ない.また,制御ループ毎に事前実験を行う場合は手間が非常にかかる.そこで,逆システムを必要とせず複数ループを有する系に対し事前実験は一回で済む設計方法を検討し,その基礎理論を構築するに至っている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,構築した基礎理論を元に,マルチループ/マルチレート系に対するデータ駆動設計方法を確立する予定である.また,確立した理論の有効性を示す数値シミュレーションを行うと共に,実機実験による検証を進める予定である.
|
Causes of Carryover |
差額は次年度の備品や消耗品等として利用予定である.
|
Research Products
(12 results)