2022 Fiscal Year Research-status Report
発見的最適化手法を用いた第5世代移動通信システム用ミリ波高性能素子の開発
Project/Area Number |
22K04234
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 寧英 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (70285518)
井口 亜希人 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (00872996)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発見的最適化手法 / トポロジー最適化 / 第5世代通信システム / ミリ波 / テラヘルツ波 |
Outline of Annual Research Achievements |
5G大容量高速通信システムにおいてはミリ波の利用がキーテクノロジーになる。従って、ミリ波回路素子の小型化、軽量化、高性能化、多機能化は非常に重要な技術となる。 本研究の目的は、従来の解析的設計では不可能であった性能を持つミリ波素子のトポロジー最適設計技術による新素子の開発である。 さて、本研究では発見的人工知能型最適化設計手法である進化型手法の一つである遺伝的アルゴリズムについてミリ波回路設計時における性能評価及び新技術の導入を行った。 ミリ波回路としては最も損失の少ない線路であるNRD線路(非放射型誘電体線路)の設計に注目した。 結果として、交差導波路、分岐導波路などについてトポロジー最適化手法を用いた解析を行い、その性能を調べるとともに手法に改良を加え、より高性能な設計手法と従来の設計では不可能であった特性を持つNRD線路素子の実現が可能となった。特に基本となる交差線路においては従来2本の線路を交差させると2本の独立した線路としての特性を得ることは不可能であったが、本研究で開発したトポロジー最適化手法を用いると、2本の独立した線路として動作させることが可能となった。これは例えば、N本の交差線路の最適構造設計を行えば、N層の回路が1層の回路で実現出来ることを示しており、回路の超小型化実現に画期的な解析手法を見出した事になる。その他、分配器の最適設計や他の進化型最適設計法の特性把握も行い、将来へ向けたミリ波集積回路のトポロジー最適化手法の有効性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では発見的人工知能型最適化設計手法である進化型手法の一つである遺伝的アルゴリズムについてミリ波回路設計時における性能評価及び新技術の導入を行った。ミリ波回路としては最も損失の少ない線路であるNRD線路(非放射型誘電体線路)の設計に注目した。 結果として、交差導波路、分岐導波路などについてトポロジー最適化手法を用いた解析を行い、その性能を調べるとともに手法に改良を加え、より高性能な設計手法と従来の設計では不可能であった特性を持つNRD線路素子の実現が可能となった。 上記の内容はほぼ研究計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画としては研究計画調書に書かれているように、他の新しい機能を持ったミリ波回路の実現を設計面から提案する。 また、この技術を同じく電磁波であり、6Gで使われるテラヘル波回路のトポロジー最適設計に応用して行く予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定では学会発表に行く予定であったが、コロナ禍 の影響で学会出張が不可になり、その分の旅費が余り、次年度に繰り越した。次年度はその分の出張旅費を使用する予定である。特に世の中のインフレが酷く出張旅費分はすぐに消化されるものと思われる。
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