2023 Fiscal Year Research-status Report
Epitaxial growth of tetragonal Mn-based alloys on the Sapphire substrate and spintronics applications
Project/Area Number |
22K04235
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
鈴木 和也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (20734297)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トンネル磁気抵抗効果 / サファイア / マンガン合金 / エピタキシャル成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、MnGa極薄膜の特性を左右するサファイアr面基板/Ta/Cr層の成膜条件について詳細な検討を行った。その結果、Taは適切な温度域による基板加熱成膜を必要とし、適切な条件によりCr層とCoGa層を形成することにより、優れた垂直磁気特性を有するMnGa極薄膜が得られることがわかった。 そして、最適化した成膜条件により作製したトンネル磁気抵抗素子構造の断面TEM像観察を行い、大きな格子不整合を有するにも関わらずサファイア基板上にTaとCrが(001)方位にエピタキシャル成長していることを確認した。一方、Ta/Crバッファ層上に形成したCoGaシード層において、平坦性の低下が観察され、従来のMgO上に作製したCoGaシード層とは異なる形態が観測された。 下部電極をMnGa極薄膜とし、上部電極に垂直磁化を示すCoFeBを用いた垂直磁化TMR素子を試作し、室温におけるTMR比の熱処理温度依存性を調べた。その結果、従来のMgO基板上にも同構造のTMR素子と比較し、サファイア基板上では、TMR比がMgO基板上の素子に比べてやや低下することが明らかとなった。この原因として、MnGa/MgO界面の平坦性の低下を示唆しており、断面TEM像観察で明らかとなったCoGa層の平坦性に起因することが示唆された。現状でもスピンデバイス応用にあたり十分な特性を有しているが、特性向上のためにCoGa層の成膜条件についてより詳細な検討が必要である考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初計画通り、Ta/Crバッファ層の最適化を完了し、断面TEM像からエピタキシャル成長を確認し、TMR素子を試作してTMR効果を評価した。また、既に最適化が終了しているMgO基板を用いたTMR素子とのTMR特性の比較により、結晶構造解析や断面TEM像では捉えがたい相違点の認識が得られ、今後の素子特性改善の指針を得ることができた。以上から、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでに得られた知見を基にサファイア基板上に形成したMnGaを電極構造に有するTMR素子の素子特性の向上を実施する。また、磁気センサ等の試作を行い、デバイスとしての有用性を検討する。
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Causes of Carryover |
代表者の異動に伴う実験環境の再構築、および試料評価装置の故障により、予定していた試料作製・評価において実施できなかった項目があり、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、応用を志向したTMRデバイスの作製・評価費用や追加のTEM観察費に係る費用として使用する。
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