2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of low-temperature low-pressure large-area bonding technology by high heat-resistant and high-heat dissipation Ag solid porous materials
Project/Area Number |
22K04243
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
陳 伝とう 大阪大学, 産業科学研究所, 特任准教授(常勤) (50791703)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | Ag シート接合 / 短時間焼結 / 高放熱 / 信頼性評価 / パワーモジュール構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究開発では次世代パワー半導体の超低損失素子の特長を活かした小型・低消費電力の電力変換器を広い範囲で実用化するための基盤実装技術として、有機溶剤を一切使用せずに、短時間でミクロンサイズの粒子を加圧することにより高放熱のマイクロポーラス圧粉材を開発し、新規低温低加圧下で圧粉材接合の要素技術を確立した。Ag粒子の圧粉材の作製プロセスが検討され、わずか60秒程度の粒子の加圧、加熱により300 W/mKに近い高放熱Agポーラスシートを実現している。また、Agの圧粉材研磨層接合界面は広い面積でもほぼ隙間のない接合を確認している。300℃、4MPa, 60秒短時間での加熱加圧条件でSiC/Cu基板との接合構造は50MPa以上のせん断強度が得られた。EBSD表面解析の結果により、表面研磨する際に銀表面に薄いナノ層とナノ結晶構造が形成され、短時間で界面拡散することができ、界面接合が可能となると考えられる。本研究の圧粉材の低温低圧焼結技術では接合材料開発の低コスト化・短周期化と製造プロセスの簡単化が実現可能と期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、WBGパワー半導体の高温対応のために、有機溶剤を使用せずに、安価なAgまたはCuミクロンサイズの粒子で短時間粒子を加圧することで、固体圧粉材を開発し、新規ポーラスシート接合技術を開発する。今年度では、短時間でミクロンサイズの粒子を加圧することにより高放熱のマイクロポーラス圧粉材を開発し、新規低温低加圧下で圧粉材接合の要素技術を確立した。また、300℃、4MPa, 60秒短時間での加熱加圧条件でSiCとの接合構造は50MPa以上のせん断強度が得られたため、計画で予定された低温低圧で40MPa以上の接合強度を実現することができた。60秒短時間で界面形成するメカニズムを評価するために、EBSDなど分析手段で表面研磨することにより銀表面に薄いナノ層とナノ結晶構造が形成されることが確認でき、ナノ層とナノ結晶構造は短時間で界面接合ができる原因と解明された。一方、異なる形状と大きさの銀粉末で固体圧粉材も試作し、ミクロンフレーク状の銀粒子とサブミクロン銀の球状粒子は短時間高圧でポーラス圧粉材の形成が可能となり、SiCとの界面接合ができることが確認できた。圧粉材中間層構造の空孔率、厚さなどの最適化により弾塑性特性、と応力緩和構造も検討しているため、計画していた内容通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては下記のテーマと計画で進めると予定されている。 a.圧粉材中間層構造の空孔率、厚さなどの最適化により、一番応力緩和かつ高放熱ポーラスシートを実現する。 b.異なるメタライズへの接合、またCuの無垢基板との直接接合構造を研究し、それぞれ接合界面のメカニズムを解明する。 c.温度300℃の高温放置(1000時間)、-50℃~250℃温度サイクル評価試験(1000サイクル)信頼性実験を行い、ポーラスシート接合の劣化特性を評価する。 d.圧粉材接合技術で大面積チップへの接合技術と最適化プロセスを構築する。
|
Causes of Carryover |
当該年度に予定された学会の参加はオンラインとなり、学会発表のための旅費が発生してなかったため、次年度使用額が生じました。次年度には、物品費として利用する予定しています。
|
Research Products
(7 results)