2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on the effect of finely powdered flyash on mortar and concrete
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22K04256
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
藤原 浩己 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 教授 (30323314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸岡 正知 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 准教授 (50323316)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フライアッシュ / モルタル / コンクリート / 有効利用 / 微粉末化 |
Outline of Annual Research Achievements |
石炭火力発電所から排出されるフライアッシュ(FA)を微粉末化処理し、セメント系硬化体に高耐久、高強度等の高性能を付与する新たなポゾラン材料を開発することを目指し、FAの処理方法と粉体特性およびセメント系硬化体の各種性状との関係を実験的に検討し、実用化に至るための基礎的な知見を得ることを目的している。 初年度計画では、実用可能なFAの微粉末化の方法・工程を検討し、粒径1~5μmの微粉末化フライアッシュ(FFA)を製造する。FFAの物理的特性の定量化、粉体特性とセメントへ混和した際の全体としての充填度等の情報を明確にすることなどを挙げた。入手したFFAは、粒度分布における50%累積体積通過径(Dp50)が1.5および3μmの2種類であった。実験では水結合材比(W/B)を超高強度硬化体が製造可能な17.5および20%の2水準、普通ポルトランドセメントに対するFFA質量置換割合を10、20、30%の3水準設定し、同水粉体比でシリカフューム(SF)を10%質量置換したモルタルと比較しフレッシュ性状および強度発現性について検討した。 その結果、SF混和配合と比べ、FFA混和配合ではいずれの置換率でもモルタルの流動性は向上し、無加振時のモルタルフロー200mm到達時間は1/5~2/3程度となりモルタル粘度を大幅に低減できた。強度発現性は、W/B=17.5%ではFFA使用時に懸念される若材齢での強度低下は見られず、材齢3日,7日ではSF使用配合と同程度,材齢28日では同程度以上の圧縮強度を発現した。また、W/B=20%では、特に,Dp50が1.5μmのFFAを使用した配合では置換率の増加に伴い,SF配合と比較して材齢3日の圧縮強度は若干低下するが、材齢7日では同程度、材齢28日ではSF配合が135N/mm2に対して160N/mm2を超える圧縮強度を発現するなどの改善効果が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
市販のフライアッシュを微粉砕するのであるが、想定より効率が悪いことがわかり、実験に供するための十分な試料の量を得るために時間がかかることが分かった。このため、微粉砕工程で十分な時間を必要とするため、モルタル・コンクリートの試験実施が遅れたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
年度のはじめになるべく多量の粉砕フライアッシュを確保すること、また、これまでに試験結果から粒子径が1.5μmの微粉砕フライアッシュを用いた方がモルタルのフレッシュ性状・硬化性状ともにシリカフューム使用時の特性を上回ることが明確になってきたため、今後の試験では1.5μmの微粉砕フライアッシュを中心に実験を進めることとする。 また、当初の研究計画で実施予定であった微粉砕フライアッシュの物理特性および粉末特性についても検討し、基礎データを充実させる。
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