2022 Fiscal Year Research-status Report
カスタマイズ可能な磁歪型マルチチャンネル弾性波による非破壊イメージング技術の開発
Project/Area Number |
22K04272
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
内田 慎哉 富山県立大学, 工学部, 准教授 (70543461)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コンクリート / プレストレス / ひび割れ深さ / 磁歪 / マルチチャネル / 表面波 / 位相速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
「磁歪技術」と「複数の加速度センサ」を併用した「磁歪型マルチチャンネル弾性波」を開発し,以下の対象について,検討を行った。 1.PC構造物に作用している応力(プレストレス) PC構造物を模擬した版状の大型供試体(幅1000mm×長さ2400mm×厚さ200mm)を作製し,応力を段階的に作用(0, 0.75, 1.5, 2.25, 3N/mm2)させた。各応力時に「磁歪型マルチチャンネル弾性波」による測定を行い,応力推定を試みた。また,弾性波の入力に「鋼球と鋼棒を併用したトーンバースト波」を用いた「マルチチャンネル弾性波」による測定も併せて行った。その結果,「マルチチャンネル弾性波」で推定した表面波の位相速度と大型供試体に作用している応力とは,線形関係にあることが明らかとなった。したがって,非破壊でコンクリートに作用している応力を推定できると考えられる。しかしながら,「磁歪型マルチチャンネル弾性波」では,応力との相関がなかった。これは,磁歪によって入力された弾性波の周波数が適切ではなかったことが要因である。 2.ひび割れ深さ 表面に開口部を有するひび割れに対して,前述の1と同様に,「磁歪型マルチチャンネル弾性波」と磁歪を利用せずに弾性波を入力する「マルチチャンネル弾性波」による測定を行い,両者の結果を比較した。その結果,「マルチチャンネル弾性波」で測定した位相速度を用いることにより,ひび割れ深さを誤差15%で推定できることを明らかにした。しかしながら,「磁歪型マルチチャンネル弾性波」では,打撃力が弱いため,誤差が大きくなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しており,現時点で問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
「磁歪技術」を活用した弾性波入力方法については,コンクリート中へ入力する周波数が調整でき,打撃力の強さも可変できるように工夫し,装置を改良する。
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Causes of Carryover |
「磁歪型マルチチャンネル弾性波」の開発が安価で済んだため。 次年度は,当初予定のとおり,火害を模擬した試験体の作製を行う予定である。また,開発した装置の改良も併せて実施する。
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