2022 Fiscal Year Research-status Report
木質バイオマス灰を用いた環境安全性に配慮した再生砕石技術の確立に関する研究
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22K04322
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
佐藤 研一 福岡大学, 工学部, 教授 (20235336)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 再生砕石 / 初期固化処理土 / 木質バイオマス灰 / 再生砕石工場 / 材料・環境安全性 / 長期耐久性 / 材料強度評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、木質バイオマス灰を用いた再生砕石の基本性状を調べるために設定した研究目的において次のような実績をあげた。 ①中間処理施設に持ち込まれる灰の性状把握と品質管理手法の提案では、熊本県と千葉県にあるバイオマス灰を含むばいじんによる再生砕石工場に訪問し、再生砕石の製造プラントを見学し、現状と課題の整理を行った。また、いずれのプラントから原材料の灰とその再生砕石を入手し、その物性等を調べる準備を行った。 ②木質系バイオマス灰による再生砕石の材料・環境安全性の検討について、a)破砕前の初期固化材料固化特性と再生砕石の基本性状の把握とb)性状の異なる木質系バイオマス灰の影響では、熊本県の再生砕石工場で取り扱いを行っている木質バイオまず2種類および比較対照材として石炭灰を用いて、破砕前の初期固化材料の固化特性と再生砕石の基本性状の把握を行った。その結果、木質バイオマス発電所における燃焼物の違いと重金属類等の溶出抑制のために加える添加剤の影響により、初期固化処理土および再生砕石の強度特性が異なることが明らかになった。c)の再生砕石の環境安全性の把握と長期耐久性の検討では、b)の検討で用いた3種類の灰と再生砕石を用いて環境安全性の評価を行い、燃焼物に石炭を混合している灰から固化材および添加剤の配合量の変化においてフッ素の溶出が懸念された。また、3年間屋外で保管された再生砕石を入手を行い、長期耐久性の準備を行った。d)の利用用途による材料強度の簡易評価方法の提案では、利用用途による材料強度の簡易評価方法を行うための計画していた小型FWDを購入し、簡易測定のキャリブレーションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は次のような研究成果が得られた。 1〉再生砕石の製造プラントに持ち込まれているバイオマスの灰の現状と課題の整理を行った。また、バイオマス灰と言っても発電所によって木質バイオマスだけではなく、様々なものとの混焼灰であることが明らかになった。 2)木質系バイオマス灰による再生砕石の材料・環境安全性の検討について、木質バイオマス発電所における燃焼物の違いと重金属類等の溶出抑制のために加える添加剤の影響により、初期固化処理土および再生砕石の強度特性が異なることが明らかになった。また、初期固化処理土と再生砕石の強度(支持力)には相関性があることが示された。 3)再生砕石の環境安全性は、特に燃焼物に石炭を混合している灰から六価クロムの溶出が懸念されることが明らかになった。 以上の成果を踏まえ、次年度の研究の実施にむけての研究課題が明確になっていることから、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、①中間処理施設に持ち込まれる灰の性状把握と品質管理手法の提案では、日本にある木質バイオマスの発電所数カ所に訪問するとともに灰排出業者の現状と課題を探り、灰の品質が再生砕石に及ぼす影響を明確化する。 ②木質系バイオマス灰による再生砕石の材料・環境安全性の検討について、a)破砕前の初期固化材料固化特性と再生砕石の基本性状の把握とb)性状の異なる木質系バイオマス灰の影響では、①で調査した木質バイオマス発電所の灰を用いて、初期固化処理土および再生砕石の強度特性に及ぼす灰の性状について検討を行う。また、前年度の結果とも比較しながら、木質バイオマス灰による再生砕石の品質の安定化について検討を行う。c)の再生砕石の環境安全性の把握と長期耐久性の検討では、b)の検討で用いた各灰と再生砕石を用いて環境安全性の評価を行い、灰の性状に応じた環境安全性を確保するために必要な固化材添加量や添加剤等の検討を行う。さらに、再生砕石を用いてタンクリーチング試験や屋外における中型カラム試験を実施し、長期にわたる実環境・利用用途を考慮した環境安全性の確認を行う。また、実験室で製作された再生砕石を用いて、乾湿繰返しやすりへり減量試験などの長期耐久性の検討を開始する。d)の利用用途による材料強度の簡易評価方法の提案では小型FWDを用いて、CBR試験との比較実験を行い、材料強度の簡易測定手法の検討を行う。
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Causes of Carryover |
コロナが収束しない中、国内・国外の出張が出来なかったこと、物品の購入が計画よりも少なかったことが主な原因である。今年度は、対面での学会出張が増えることから旅費や参加費に充当する。
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